今まで、動詞、形容詞、名詞と品詞の中では王道の品詞を扱ってきました。
今回は副詞です
が、名詞・動詞・形容詞のようなの品詞と違って、意外とわかりにくい品詞だったりします。
ということで、「副詞って何?」ということから説明していこうと思います。
副詞とは??
ではまず漢字から意味を考えてみると、「副」という漢字がありますね。
たばこのけむりの話だと、主流煙と副流煙といったり、スポーツなどでは、キャプテンと副キャプテンのような言葉とセットで言われます。
となると、イメージは「メインじゃない、サブ」というのがいいのかなと思います。
・佐藤さんはクスクス笑います。
・佐藤さんはゲラゲラ笑います。
副詞を足しても、佐藤さんは笑うことには変わりはありません。しかし、副詞があるとどのように笑ったのか細かく違ったと思います。
そこから、副詞は別になくてもいいものだけど、あったらもっと細かいニュアンスを出せますよのようなイメージを持てばいいと思います。
そして副詞はどんな機能があるのかというと、主に述語の修飾語として働きます。
例えば、
「青森のりんごはおいしい」だと述語は「おいしい」なので、
この述語「おいしい」の意味を補足するために例えば、副詞「とても」を用いて、
「青森のりんごはとてもおいしい。」というようにおいしさの程度を表せる文ができます。
「お茶を飲みます」だと述語は「飲みます」です。
この「飲みます」を修飾する副詞、例えば「ゴクゴク」や「ちびちび」をつけると
どのように飲むのかニュアンスが出てきます。
このように同じ副詞でも少し働きが違います。その働きによって副詞は3つに分類します。
情態副詞と程度副詞そして、陳述副詞です。
順に見ていきましょう。
情態副詞
情態副詞は主に動詞を修飾して、動作に対してどのように行うかを説明します。
本によっては、状態副詞や様態副詞ともいいます。
上の「飲みます」の例がこれに当たります。
「ゆっくり歩く」のような動きの様子や、「テクテク歩く」のような擬態語や「淡々と話す」のような畳語も含まれます。
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程度副詞
程度副詞は主に述語の動作や状態の程度を表します。よって、動詞や形容詞はもちろん、副詞自体やなんと名詞にもくっつくことがあります。
上の例の「とてもおいしい」は状態の程度を表していますね。
他には、「多少」「大変」「最も」「かなり」のようなものがあります。
動詞や形容詞や副詞を修飾する例は比較的すぐに例が浮かぶと思いますが、名詞をどうやって修飾するのでしょうか。
名詞は、数量、時間、空間に関係がある時、修飾されることがあります。
「事件の現場は少し先です。」はその例です
陳述副詞
陳述副詞はを他の言葉といっしょに使わなければならないというルール持った副詞です。
文末で呼応します。
日本語教育能力検定試験の勉強をしていて厄介な点なのですが、別名がいっぱいでてきます。
この陳述というのがその一つです。
そもそも陳述ってなんやねんとなってしまいますが、他の言葉で言い換えると、モダリティとかムードなどと言い換えられます。学習が進んでいる方はそうだったのかとなっているかもしれません。
ここでは一言でいうと、陳述とは話者の気持ちを表すよということです。
「明日は雨が降ります。」に「たぶん」をつけると、
「明日はたぶん雨が降るだろう。」と話者の推量の意味が加わります。
「ビールを飲む」に「決して」をつけると、
「ビールを決して飲まない。」と話者の打ち消しの意味が加わります。
他の例を挙げると、「きっと〜(だろう)」「もし(〜なら)」などがありますね。
陳述副詞は、文末で他の言葉と結びついて、話者の気持ちを表すということでした。
まとめ
副詞のまとめです。
ー副詞まとめー
・情態副詞・・・動作の説明
・程度副詞・・・程度を表す
・陳述副詞・・・他の言葉とセットで話者の気持ち
おわりに
日本語教育能力検定試験ではそこまで副詞について難しいことはないと思います。
私は副詞に対して、嫌な印象を持っています。
というのは実際に学生に教えていると、意味の説明が難しいのです。
「先生〜!『ぐんぐん』と『どんどん』は何が違いますか(初中級)」や「先生〜!『しっかり』と『ちゃんと』と『きちんと』は何が違いますか(初級)」という質問が来るとビクッとなってしまいます。
そういうところも教師として楽しい部分ではあると思うので、時間があるときに用法を分析してみるのもいいかもしれませんね。
参考にした本
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