オーディオ・リンガル・メソッド、コミュニカティブ・アプローチとかなりボリューミーな教授法を見てきました。まだいくつか見る教授法はありますが、ボリュームは落ちますし、上の二つを王道とすると、個性的な面々が揃っています。
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今日はナチュラル・アプローチをみていきましょう。
ナチュラル・アプローチ
まず、最初に注意したいのは、これはナチュラル・アプローチで、ナチュラルメソッドではありません。ナチュラルメソッドは幼児の言語を獲得する過程に注目した教授法の総称で、グアン・メソッドやベルリッツ・メソッドがありましたね。
ナチュラルアプローチはテレルさんが、クラッシェンさんの第二言語習得理論仮説(モニター・モデル)をもとに開発した教授法で、リスニングを重視した教授法です。モニターモデルは頻出みたいですし、個人的に外国語を学びたい人にはたくさんヒントがあると思いますので、しっかりみていきましょう。
モニター・モデル
このモデルは5つの仮説でできています。これらを知っていれば、効率よく外国語をマスターできますよということでしょう。
(1)習得・学習仮説
ここでは「習得」と「学習」は違うものということです。母語を獲得するような無意識の「習得」と文法を意識的に学ぶ「学習」は違う独立したものであり、学習しても習得にはつながらないというものです。学校で英語を勉強しても話せないのはこのことなんでしょう。
(2)自然順序仮説
文法のルールの習得には順序があるというものです。子供が話すようになる時は例えば、使役の「〜させる。」や受身の「〜られる。」を使えるようになってから複雑な使役受身の「〜させられる。」を使えるようになるというように順番があるというものです。勉強に基礎→応用の順序があるのと似ていると思います。
(3)モニター仮説
これは頭で自分の発話を観察して間違いを発見すると、それを直そうとするものです。間違いに気付けるかは「学習」に基づいています。たくさん学習して文法知識があればあるほど、間違いに気づきやすいです。僕は文法知識のおかげで、何度も「あっ、今間違えた。」と英語勉強中に気づけて、修正しました。自主学習にはとても大事だと思います。
(4)インプット仮説
第二言語習得が進むのは、「i +1」、つまり、自分のレベルよりほんのすこし高いレベルのインプットをたくさんするとき、とするものです。いきなり難しいものをやるより、自分のレベルから近いものから始めるといいよってことです。ステップアップで徐々に難しくしていくイメージですね。
(5)情意フィルター仮説
前に情意ストラテジーの時に出てきた情意という漢字ですが、要は感情のことです。なので感情のフィルターということです。簡単にいうと、楽しく勉強できているとインプットが捗り、いやいや勉強するとインプットが全然できないということです。習得にはリラックスした環境が必要ということですね。
みなさんが外国語を勉強する際使えそうなものはあったでしょうか。もちろん、日本語教師として、クラスにも応用できると思います。
さて、このモニター・モデルでしたがこれに基づいたナチュラル・アプローチをもう一度見てみましょう。
ナチュラル・アプローチの考え方
学習者のモチベーションを高め、不安も取り除き、習得を重視し、聞くことを優先するというものです。もちろん、話すことや書くことなども目標ですが、学習が進むと徐々にできるようになると考え、強制はさせないそうです。
学習者の発話が少なくなるのが欠点のようです。
おわりに
ナチュラルアプローチとモニター・モデルを勉強しました。僕は、インプット仮説と情意フィルターはかなり大切でだと思います。色々な場面に活かせそうだからです。それは別の機会に話せたらいいなと思います。
ナチュラルアプローチは、最近はあまり聞きませんが、すこし昔、聞くだけで英語が話せるようになるという英語教材が流行っていましたが、大量にインプットという点でこのアプローチを採用していたんだと思います。
聞き流すだけで話せるようになるとは思えませんし、努力なくして身につくものはないと思います。言語学習に限らず、勉強は大変ですが、その大変さを軽減させることはできると思います。「楽」に勉強、その一助となれば幸いです。
参考にした本