あなたは話し相手の言っていることが100%理解できますか。おそらく僕も含めそんな人はいないと思います。もちろん外国語でのコミュニケーションはわからないことが多いですが、母語でも100%理解はできないと思います。

もしそんなことができるならば、部長に「おい、今日行くぞ!」と言われたら何も聞き返すことなくどこに行くかを理解できますし、どんな人間関係でもおいても相手の思っていることが完全に分かることになります。!すごい世界ですね。

100%理解できるということは、造語なども含む全ての言葉の意味と身振り手振りやイントネーションによる全ての言葉以外の意味を理解している必要があります。ひぇぇ。恐ろしい。無理無理と叫びたくなりますね。

そこで!

100%理解することは無理、つまり必ずコミュニケーションの中で何かしらの問題が生じてしまいます。例えば、相手の言葉の意味がわからない、発言に隠された本心がわからない、またはそもそも聞き取れていないなど。そういった問題に対処する作戦のことをコミュニケーション・ストラテジーといいます。検定試験では、第二言語習得の中にでてきますので、よりイメージしやすくするため、自分が外国の方に外国語で話しかけられることを想定するとわかりやすいと思います。

回避

あなたが街を歩いていると知らない言語が聞こえてきます。その言葉を話す人は、箱根と言いながら地図を指差し、何かを訴えかけています。行き方が知りたいのであろうことは分かりますが、その言葉が分からないので困っています。どうしよう。結局、あなたは申し訳ない気持ちでいっぱいで、精一杯の小声で「アイムソーリー」と英語でいいながら立ち去ってしまう。

わからないから逃げてしまう。これを回避と言います。例では実際に逃げていますが、分からない言葉を無視したり使わないことも回避です。逃げると書くとネガティブに聞こえるかもしれませんが、立派な素晴らしい戦略だと思います。話題転換もこれに当たります。相手が何言ってるのか全然わからないつまらない話題なら、違う面白い話題変えてしまいたいですよね。

言い換え

これはわからないことがあると、逃げるのではなく別の言葉を使って、勇敢に立ち向かう方法です。パラフレーズと言ったりもします。

Aさん「ザイザルって本当にすごいから重宝するんだよ。」

Bさん「ザイザルってなんですか。」

Aさん「ザイザルっていうのは、アレルギーの薬のことだよ。ぼくはひどい花粉症なんだ。」

こんな感じです。

この例は一番簡単な例ですが、他にも、造語類似表現を使うこともあります。

母語使用あるいは意識的な転移

母語使用は例えば、話しかけてきた人がフランス語だとわかり、自分もフランス語を少しでも話せるから話す、または話せなくても翻訳できるならそれは母語使用になります。このように自分や相手の言語に合わせることをコードスイッチングと言ったりします。次に意識的な転移ですが、例えば自分はフランス語を話せず、相手も日本語がわからない時、英語を使ってコミュニケーションをとるのように共通言語を使うことです。

援助要求

これは字の通り、「わかんないから助けてー。」という作戦です。直接聞き返したり、部分的に繰り返してわからないことを伝えたりすることです。この補足を要求することをリペアと言ったりもします。

Aさん「スリジャヤワルダナプラコッテって知ってる?」

Bさん「スリジャヤワ・・・ん?」

Aさん「ああ、スリジャヤワルダナプラコッテね。スリランカの首都ですよ。」

ジェスチャー

身振り手振りなどの非言語のコミュニーケーションのことです。こう言われるとややこしいですが、日常無意識に使うことが多いのではないでしょうか。例えばこんな感じです。

わからないことがあると、黙ったり首を傾げて相手にわかっていないことを伝えることや、道案内の時は目的地を直接指さしたりするかもしれませんね。

最後に

前回まで学習ストラテジーについてやりました。ストラテジーという言葉が共通していたので連続して勉強しました。専門用語がたくさん出てきて覚えられないなどあると思いますが、大事なのは、コミュニケーションストラテジーと聞いたら、僕が道を聞かれて困ったら具体的にこうするだろうなあと例を挙げられ、そこからこれは言い換えてるな、とか援助を要求しているなと暗記ではなく、理解する道を作ってあげれば少なくとも検定においては問題ないと思います。実際赤本の第3版と第4版では分類が異なっています。

 

ヒューマンアカデミー著(2016)『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版5刷』SHOEISHA
ヒューマンアカデミー著(2018)『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版4刷』SHOEISHA
 

 

最新情報をチェックしよう!