外国語教授法①〜流れと文法訳読法〜

今回からは外国語教授法についてみていきたいと思います。外国語を効率学ぶ方法やその理論だったりします。ぜひ知っておきたいですね。

日本語教育能力検定試験では歴史の流れとともに、さまざまな教授法が登場します。新しいからよりすごい、というわけではなく、学習者のレベルや環境や性格によって適切な教授法は異なります。教授法の内容だけでなく、こんな人にはこの教授法が効率的かもなあと考えると、暗記でなく理解につながると思っています。

そして、教授法はそれぞれに長所と短所があり、それらを補うように教授法が組み合わされることもあります。思い返してみると、高校の英語の授業は色々な教授法が混ざっていたと感じます。

もくじ

大まかな流れ

一言で簡単に言うと、「教養のための外国語学習」から「実用のための外国語学習」への流れです。

まずは教養のためです。みんな教養のために勉強します。

例をあげましょう。「なんで使わんのに英語を勉強しないといけないの?」、「一生日本から出るつもりないから必要ないし。」多くの人はこんなことを思った経験があるのではないでしょうか。僕もそんなことを考えてた時期がありました。

僕は、一つは大学が関わっていると思います。大学入試で必要な科目だから英語を勉強する。それは、大学が研究機関で、研究のために海外の言葉や、昔の言葉で書かれた文献を読むことにもなり、だから英語や古文や漢文を勉強しなければいけない。使うというより、読み書きが中心となってしまいます。大学を出て立派な職に就くことが重要な指標だった当時は、多くの人がこういった教養のために外国語を勉強していたんだと思います。

しかし最近は大学で勉強をしない人が増え、英語が大学に入るための道具になってしまい、さらに多くの外国人を見かける機会が多くなっているので、「使えない」英語を学ぶ理由を見つけられず、「使う」ための必要性が高まります。その証拠にどんどん「使える」ように教育がシフトしてきていますね。「教養としての勉強なんかだめだ。使えないと意味がない!」と実用重視になってきます。

「教養」から「実用」。これが大きな流れとなります。

教養としての教授法(文法訳読法)

本によって年代は色々あるみたいですが、赤本では〜19c半ばとあります。

文法訳読法とはヨーロッパでラテン語の勉強に使われていた教授法で、実用ではなく教養のための教授法です。

キーワードは3文字目の「訳!!」です。そうですね、「翻訳」です。一番近いのは古文でしょうか。現代語訳しなさいという問いにもかかわらず、助動詞など、細かに用法を確認しながら、逐語訳をヒーヒー言いながら完成させた思い出はありませんか。完成させた『現代語訳』は現代語なのにも関わらず、読んでも理解できないなんて僕はしょっちゅうありました。

・学習目標は読解力のため。

・必要なものは辞書。

・練習には文法規則と語の理解と暗記、そして母語に訳す。

・長所は読解力がつき、少人数でも大人数でも、先生がネイティブじゃなくてもいい。

・短所は音声が身につかない。

特徴はこのような感じです。ちなみに現在これを使うならどんな風に使えるのでしょうか。ヨーロッパではよくあるイメージなんですが、話せるけど書けず、読めない人がいる。そんな人にはいいかもしれませんね。ただし、かなりモチベーションを保つのが難しそうなので、絵本や漫画のようなものを使ったり、10分だけなど調節する必要があるかもしれません。

おわりに

ここまで教授法におおまかな流れと教養のための教授法を見ました。次回はあることが起こって世界が大きく変わることがきっかけで、使える、話せるようになる必要が出てきます。そこで文法訳読法なんてやってらんねーということで、音声を重視した教授法が出てきます。使うための学習法ですね。

教授法については、かなりの数の用語がでているため、暗記が大変だと思います。もちろんある程度は覚える必要はありますが、その数を減らすことやその負担を軽減させることはできます。理解が追いついていないと暗記はただの拷問になってしまいます。僕は拷問は嫌です。楽に覚えちゃいましょう。


参考にした本

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この記事を書いた人

日本語講師として日本語学校に勤めています。日本語教育能力検定試験や日本語教育や現場についていろいろアウトプットしていこうと思っています。

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