前回はオーディオリンガルメソッドを勉強しました。かなり大変な箇所ですが、検定でも必ず出ると言ってもいいほど頻出なのでしっかり勉強しておきたいですね。
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今回はオーディオリンガルが批判されあたらしい教授法が出現します。どんなものでしょうか。
コミュニカティブ・アプローチ
まずオーディオリンガルメソッドは簡単に復習しますが、構造言語主義と行動心理学を基盤とし、文型や音声を繰り返し、話す習慣を形成しようというものでした。たくさん繰り返すので単調でつまらなく、形を重視するので意味が重視されず、コミュニケーション能力が伸びない。
このような欠点やチョムスキーさんの理論により、コミュニケーションの能力を重視するようになります。そんな中生まれたのがコミュニカティブ・アプローチです。オーディオリンガルのキーワードは「構造言語学」「行動心理学」「正確さ」としましたがコミュニカティブ・アプローチはその逆の「意味」「伝達、機能」そして新たに「実」と僕はしました。ちなみに、形じゃなく中身、完全じゃなくても伝われば良いという風に捉えました。
コミュニケーション能力ということですが、カナルさんとスウェインさんによると、文法能力、社会言語学、ストラテジー能力、談話能力に分けられます。オーディオリンガルの時に重視された、文法能力だけでなく、文法は正しくても、「おい、お前は元気か。」と上司に言わないような社会のルールに基づいて話す、社会言語能力、適切な言葉が浮かばない時、言い換えたりなどして対応する、ストラテジー能力、そして相槌などの会話を円滑に進める談話能力も伸ばそうということだと思います。
やはり、「実」際のコミュニケーションには、形でなく、意味や機能が大事ということでしょう。
「実」際のコミュニケーションを意識するということで、絵カード、レアリア、ジェスチャーは変わらず、母国語話者のために作られた生教材(新聞やニュースなど)。他には実際のコミュニケーションには、情報差(インフォメーション・ギャップ)、選択権(チョイス)、反応(フィードバック)があることから、ロールプレイ、インタビュー、ディベートなどや「実」際にシミュレーションをしたり、物を作るプロジェクトワークなどをします。
一例として、僕がわからないことがあり、そのことについて詳しい先生がいるので聞きに行くとします(情報差)、先生に言うセリフでふさわしいものを選びます(選択権)先生の表情が曇ったため(反応)、忙しいと判断し、また出直しますと伝える(選択権)。
このようにコミュニケーションを重視するのがコミュニカティブアプローチです。オーディオリンガルの逆のアプローチですので、
・長所はコミュニケーションができるようになる
・体系的学習が難しく正確性が伸びない
なので次はそのいいとこ取りをしようと言う教授法ができます。
タスク中心の教授法
オーディオリンガルの形式重視のことをフォーカス・オン・フォームズ(FonFs)と言います。Forms(複数形)にFocusするということで、たくさんの形(文型)に注目するという意味です。
一方、コミュニカティブアプローチの意味重視のことをフォーカス・オン・ミーニング(FonM)と言います。これはMeaning(意味)にFocusするということです。
このタスク中心の教授法はフォーカス・オン・フォーム(FonF)です。気をつけてください、Formです。複数形ではありません。イメージとして、オーディオリンガルほどたくさんやりませんという捉え方でいいと思います。
これはコミュニカティブアプローチの手法をメインとおきつつも、文法もやるということです。コミュニケーションの練習の中で文法や文型を学ぶと言うことです。
僕の高校時代、受験勉強で英単語を学習する時、しきりに単語なんて読んだ英文でわからなかったものだけ勉強したほうがいいと言う人がいましたが、その考え方に似ていると思います。
ほとんどコミュニカティブ・アプローチと似ていますが、タスク中心の教授法はタスクシートを使い、タスク(課題)を遂行する能力を育てることが求められます。これはちゃんとした目的があるので、達成感が味わえそうでモチベーション保てそうだなと思いました。
おわりに
よりコミュニケーション重視になってきていますね。教えるようになると言う立場から、やはり学習者には楽しく学習してほしいものです。単調なものより、面白い授業を提供したいですね。まあ体系的に教えるのが難しい分、教師もしっかり能力を高める必要がありますね。やはり普通の先生やわかりにくい先生と言われるより、いい先生やわかりやすい先生と言われたいですから、頑張っていきたいなと思います。
参考にした本