今回は可能です。
可能と聞くと、それならわかるよ簡単だよと思ってしまいがちです。
日本語話者だからこそ気をつけなけらばならない用法があります。
気をつけて見ていきましょう。
可能の意味
可能は使役や受身などの他の用語と比べると、日常でもよく使う言葉だと思います。
だからこそ、可能は「できる」の意味でしょと単純に思ってしまいます。
もちろんそうなのですが、可能には2つの意味があることを知っておく必要があります。
それが、能力可能と状況可能です。
能力可能
能力可能とは能力があるからできるという意味です。一般的に可能と聞くと頭に浮かぶのはこの意味の方だと思います。
・英語が話せます。
・背泳ぎで100m泳げます。
状況可能
一方、状況可能というのは状況によってできる、つまり能力は関係なく、周りの環境に影響されるという可能です。
例文をみてみましょう。
・うるさくて寝られない。
・緊張して話せない。
可能の作り方
可能は1グループは語幹に「eru」、2グループに語幹に「rareru」をつけます。3グループは「できる」と「来られる」です。
例えば、1グループの動詞の「行く(ik-u)」や「飲む(nom-u)」は「行ける(ik-eru)」「飲める(nom-eru)」のようになり、2グループ の動詞の「食べる(tabe-ru)」や「寝る(ne-ru)」などは「食べられる(tabe-rareru)」「寝られる(ne-rareru)」となります。
語幹のように難しく考えてしまうと混乱してしまうそうですが、これも使役や受身のときのように母語話者なら形をもうすでに知っているので、そこからルールを見つければ、忘れてしまっても大丈夫です。
可能の注意点
可能を作る際には少し注意することがあります。
無意志動詞
可能の作り方がわかったといっても、すべての動詞が可能の形を作れるとは限りません。
雨が降られる。
ら抜き言葉
このら抜き言葉こそ、母語話者が気をつけるべきことだと言えます。
ら抜き言葉とは簡単に、可能の動詞の「られる」の部分の「ら」が抜け落ちてしまうことです。
・実は辛いものが苦手で、全然食べれないんですよ。
・やばい、明日始発なのに全然寝れない。
その他の注意点
あとはその他として可能で気をつけたいところを見ていきます。
可能は目的語に「が」をとることが多いですが、「を」も使うことができます。
漢字を書けます。
まとめ
可能をまとめると以下のようになります。
可能の意味
①能力可能
②状況可能
可能の注意点
無意志動詞には接続なし
ら抜き言葉に注意
など
おわりに
可能は母国語話者だからこそ間違えやすい要素があるちょっと面白い文法でした。
私が初めて養成講座で模擬授業をしたのがこの可能の課でした。
状況可能はもちろん、知らないことばかりでした。
座学で分かった気になっていても、実際に言葉にするのはとても大変だったことを覚えています。
日本語教育能力検定試験も同じで、分かった気になっていても、本当に問題は解けるの?説明はできるの?と問いかけ、実際にやってみてください。
本当に理解しているのかの助けになると思います。
参考にした本
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