最近勉強してよく見たり聞いたりする言葉があり、とてもおもしろく勉強にも活かせそうなので、簡単に書いてみます。
その言葉が、トップダウンとボトムアップです。人間が物事を理解するとき、実はトップダウンとボトムアップという二つの方法を使っているということです。
そのトップダウンとボトムアップを僕は本当によく逆に覚えていたりと混乱する言葉だったので簡単に説明したいと思います。
トップダウン
トップダウンは、予測や推測をして、それを検証して理解する方法のことです。イメージとして「大」から「小」へとだんだん狭めていくという感覚です。
ジグソーパズルってありますね、皆さんはどうやって完成させますか?もしパズルが、何百や1000ピースを超えてしまったら、とても大変ですよね。多くの人はまず、外枠を作りませんか?とりあえず一番外の枠を完成させる、これがトップダウンです。
もう一つ例を挙げてみましょう。あなたは今動物園にいるとします。あなたはとっても「ゴリラ」がみたくて仕方がありません。どうやってその場所を探すのがいいですか。多くの方は、園内マップを見ることでしょう。あなたのいる現在位置とゴリラのいる場所を、動物園全体が絵で書いてあるマップを使うとすぐにわかりますね。広すぎる動物園全体をあなたの目では実際に把握できません。なので「鳥」になった気分で、空高くから上(Top)から見下(Down)ろして理解する。これもトップダウンです。
ボトムアップ
ボトムアップは断片的な情報を集め、それらを組み合わせて理解する方法です。こちらは「小」から「大」という感じですね。
ジグソーパズルの例を思い出しましょう。トップダウンはまず外枠を完成させました。一方ボトムアップは力技です。とりあえず、目の前のピースを手にとって、ひたすらそのピースにハマるピースを探していきます。それを繰り返すことによって、パズルを完成させるのです。
動物園の例はどうでしょう。近くにいた係員さんにゴリラはどこですかと聞いてみます。するとラクダの向かい側にいますと返ってきます。ラクダはどこですかと聞くと、カバの隣にいますといいます。カバはどこですかと聞くと、右手に見える売店の左手側にあるといいます。そうやってゴリラがどこにあるか理解します。もちろんこんな風に返す係員さんはいないと思いますが、これがボトムアップです。アリになった気分で大きなものを理解するために下(Bottom)から見上げる(Up)イメージですね。トップダウンの逆と覚えてもいいと思います。
どちらが優れているのか
トップダウンとボトムアップ、なんとなくでも理解していただけたでしょうか。
さて、こうやってみると、絶対トップダウンが優れているじゃん!と思ってしまわれるのでしょうか。たしかに、ボトムアップは、時間もかかり、効率は良くないように見えます。
ですが、そうではありません。トップダウンは、スピードの点で優れています。一方ボトムアップは理解は深いものになると思います。例えば、パズルをボトムアップでやる場合、イライラしてしまうかもしれません。しかし、それに伴う達成感を味わえますし、心からパズルが好きな方は、完成させる道のりが楽しいのではないでしょうか。そのような人には、トップダウンのやり方では物足りないのかもしれません。
目的に応じて使い分ける。いい悪いだけではないということですね。さらに我々はこのトップダウンとボトムアップを上手に使い分けることを、補償モデルといいます。動物園なら、ゴリラは西の方向、そしてラクダの前。パズルなら、外枠を完成させた後は力技というように状況に応じて使い分けます。
ちょっと発展
言語学習において(主に読解)トップダウンとボトムアップを考えてみます。
トップダウンはスピード、ボトムアップはじっくりでした。なのでいわゆる速読というのがトップダウン、精読というのがボトムアップになります。速読についての方法にスキミングとスキャニングがあります。スキミングが要点を掴むことで、スキャニングが知りたい情報を探すことです。ともにトップダウンです。
個人的にトップダウンとボトムアップ、スキミングとスキャニングがいつもゴチャゴチャになっていました。こんな覚え方を提案します。気に入ったら使ってみてください。
トップダウンとボトムアップは上に書いた通りです。スキミングとスキャニングは、、、「カンニング」という言葉があります。そうです。隣や前の人から自分の欲しい情報(他人の解答)を盗み見る方法です。スキャニングも自分の欲しい情報を探すことです。カンニング、カンニング、、キャンニング、、、スキャニング。と似ていますね。僕はこうやって覚えました(笑)実際のカンニングはしないでくださいね。
おわりに
混同しやすい語が多かったですが、とっても面白い内容です。テスト中でも、トップダウンでわからないとボトムアップに切り替えてみたり、逆で試してみたりするとわかったりすることもあります。特にTOEICや受験などにもこれは使えると思うので、知っていると焦らず、冷静さを保てると思います。
参考にした本
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