日本語を教えるとなると品詞というものが大切になってきます。
頻出の品詞やそうでない品詞もあるので、この際一気に押さえていきましょう。
今回は動詞についてみていきます。
日本語教育能力検定試験のみならず、初級の学習者に教える際必ず説明しなければならない大切なところなので、しっかりと理解しておきましょう。
動詞
動詞と聞くと、「食べる」や「歩く」のような言葉が頭に浮かぶと思います。
それはもちろん正解ですが、日本語教育ではもっと細かく分けられます。
日本語教育では、動詞は3種類のグループに分けられます。
1グループの動詞、2グループの動詞、3グループの動詞という名前です。
それぞれに別名もあります。試験でも聞かれるので別名もしっかり押さえましょう。
ちなみに、動詞の分類は自他動詞や意志無意志動詞のようにいろいろな分類もありますが、
ここでは動詞のグループ分けを扱っています。
1グループの動詞
一般的には1グループ動詞という名前です。学習者も言いやすいからだと思います。
他の名前は、子音語幹動詞、U-verb(うバーブ)を覚えておけばいいと思います。
学校文法では五段活用動詞と言われているものですね。他にも別名があるので、気になったら調べてみてください。
どのような動詞か例を挙げると、
「話す」「泳ぐ」「歩く」などがあります。
学校だと「ない」をつけて「ア段」に変わるとこのグループだと教わりました。日本語教育能力検定試験ではこれを使うといいですが、学習者には一般的にこの方法は使わない、というより使えないので気をつけておいてください。
動詞をいろいろな形に変形してみましょう。
「はなす(hanasu)」は「はなします(hanasimasu)」や「はなさない(hanasanai)」「はなした(hanasita)」「はなして(hanasite)」のように形が変わります。
この全部において共通している部分はどこですか。
「hanas」が共通しています。この共通している場所の名前を語幹と言いましたね。
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ちなみに、日本語の表記で見ると、「はな」が共通のように見えてしまいますが、もっと細かく見るためにはアルファベットに直してみる必要があります。
語幹「hanas」は「s」という子音で終わっていますね。そうです、別名は、子音語幹動詞と呼ばれていましたね。語幹が子音で終わっているから子音語幹動詞です。
ただし、気をつけてほしいのは、「泳ぐ」の例だと同様に
「およぐ(oyogu)」は「およぎます(oyogimasu)」「およがない(oyoganai)」「およいだ(oyoida)」「およいで(oyoide)」となってしまって、共通する部分が「oyo」だと思っていしまいそうですが、
「泳ぎて(oyogite)」→「泳いで(oyoide)」のような音便化していることも多いので、そのことを理解しておけば大丈夫だと思います。
つまり、語幹は「oyog」となり、「て」や「た」などにつなげるときに音便化して、「泳いだ」「泳いで」となるということです。
ついでに、「U-verb」と言われる理由は、言い切りの形が「〜u」で終わることが多いからです。*例外はあります
そして、テキストの違いから英語圏?のテキストではこの「U-verb」を使っていることが多いかもしれません。ボランティアだった私がアメリカで使っていたテキストでは「U-verb」が使われていました。
「話す(hanasu)」、「泳ぐ(oyogu)」、「歩く(aruku)」などがこの1グループの動詞の例です。
1グループの動詞は長くなってしまいましたが、例外事項も多く、日本語学習者にとっても1グループの動詞の活用に慣れるのは難しいです。
2グループの動詞
これも多くの場合、2グループ動詞とそのまま言います。
別名は母音語幹動詞やRU-verb(るバーブ)と言ったりします。
学校文法では上一段活用と下一段活用をあわせたものです。
どんな動詞があるか例を挙げると、
「食べる」「寝る」「起きる」などがあります。
いろいろ活用してみましょう。
「たべる(taberu)」は「たべよう(tabeyou)」「たべない(tabenai)」「たべた(tabeta)」「たべろ(tabero)」などに活用できます。
もうお分かりかもしれませんが、共通部分はなんですか?
そうですよね。「tabe」が共通です。
ということは語幹が「tabe」となるので、語幹が母音で終わっていますね。
だから母音語幹動詞と呼ばれているんですね。
そして、「食べる」「寝る」「起きる」・・・
なんか「る(ru)」で終わっている言葉が多いですね。だから「RU-verb」とも言われています。*「帰る」など例外あり
3グループの動詞
3グループ動詞は特に上の2グループと比べて呼び名がたくさんあるわけではなさそうです。
不規則変化動詞という名前を知っておけばいいと思います。
語幹も活用も不規則に変わるからです。
英語では「irregular-verb」と言ったりします。学校文法で言うと「サ変」と「カ変」の合わさった感じです。
これは数が少ないので簡単です。
「する」と「くる」の2つです。
注意したいのは、「名詞+する」という形をとるのも3グループということです。
「電話する」「運動する」のようなものです。
ちょっと活用を簡単にみてみましょう。
「する」は「します」、「しろ」、「すれば」、「して」「する」など
「くる」は「きます」、「こい」、「くれば」、「きて」、「くる」など
「する」はともかく「くる」はもう不規則すぎて訳がわかりませんね。
まとめ
まとめるとこのようになります。
1グループ動詞・・・語幹が子音で終わる
2グループ動詞・・・語幹が母音で終わる
3グループ動詞・・・「する」「くる」
おわりに
動詞はわかっている人には簡単なのですが、日本語教育能力検定試験の勉強を始めたばかりの人には、学校の時勉強したことと違うことを勉強し直さなければならないため大変です。
動詞に関して、日本語教育能力検定試験のその先の実際に教えるという点でものすごく大切なので、ぜひ頭に入れて置いておきたいところだと思います。
参考にした本
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