品詞⑦〜助動詞〜

もくじ

助動詞とは

助動詞という言葉を聞くと、英語を思い出す人も多いかもしれません。

can やmay を助動詞だと思い出すかもしれません。

基本的には同じようなものだと考えて良いと思いますが、違いもありますので、注意しておきましょう。

さて、助動詞というのは、述語の一部になる品詞のことです。

日本語では、動詞、形容詞、名詞が述語になることができるので、

助動詞は今挙げた3つの品詞といっしょに使います。

例えば、

・「明日は晴れるそうだ。」(動詞+伝聞の助動詞)
・「有名店のケーキは美味しいはずだ。」(形容詞+確信の助動詞)
・「我々は宇宙人だ。」(名詞+断定の助動詞)

のように助動詞を使います。

そして上の例からもわかるように、助動詞を使うことによって話者の気持ちを表現することができます

これをモダリティムード陳述と言ったりします。

つまり、助動詞は述語の言葉と一緒に使って、話者の気持ちを表現できるということですね。

助動詞の用法・意味

助動詞には上の例文でもあるように、意味があります。

例えば、

「そうだ」には伝聞・推量の意味があり、「ちがいない」には確信の意味があります。

他にも、断定、非断定、説明、義務など一見すると覚えなければならないのかと思ってしまいますが、

例文を作ることで、暗記をしなくてもよくなります。

「そうだ」の用法は伝聞と推量だと暗記するのではなく、

「今日は暑くなりそうだ」
「友達が結婚したそうだ」
という例文を作れるようにしておくと、推量、伝聞ということは容易に考えられると思います。
ですから、用法意味はこんなものがあるのかと簡単に見ておくくらいでもいいと思います。

名詞述語の場合

名詞が述語になるとき、少し注意が必要です。

例えば「宇宙人」という名詞を述語にするとき、

「我々は宇宙人。」という文はちょっと違和感があります。

「にんじんを食べる。」や「にんじんはおいしい。」のような動詞や形容詞が述語になる文は何も違和感はありません。

この違和感をなくすために使われるのが、断定の助動詞「だ・です」です。

つまり、名詞を述語にするときは断定の助動詞「だ・です」をつけなければならないということです。

「我々は宇宙人だ。」「我々は宇宙人です。」は違和感がないですよね。

この「だ・です」のような名詞とくっついて述語をつくるものをコピュラとも言います。

さらに、名詞述語文は3種類あるということも注意が必要です。

措定文(そていぶん)

まず、名詞述語文なので、「我々は宇宙人だ」のように「XはYだ」という形を作るのを前提とします。

措定などというちょっと聞きなれない言葉がありますが、措定文とはXはYに含まれるということです。

覚えていますか。包摂関係の言葉です。

 

[sitecard subtitle=包摂関係ってなんだっけ? url=https://tak-japan.com/imi/ target=]

 

例えば、野球とスポーツは包摂関係にあります。Xが下位語、Yが上位語となると措定文になります。

例をみるとわかりやすいので、みてみます。

「野球はスポーツです。」

他にもいろいろ考えられます。

「私は日本人です。」
「日本は島国です。」

などが措定文です。

この文の特徴は、主語と述語を交換してみると意味がおかしくなります。

「スポーツは野球です。」←えっ、サッカーはスポーツじゃないの??

「日本人は私です。」←日本人って私だけなの?

「島国は日本です。」←オーストラリア  って日本だったの?

というように変ですよね。

これが措定文です。

指定文

指定文は馴染みがあると思います。

指定文とは「XはYだ」の「X=Y」の関係にあるとき、指定文と言います。

「私の名前はTakです。」
「日本の首都は東京です。」

のようなものです。

先ほどの措定文とは違って同じものなので、主語と述語を入れ替えても、意味は同じです。

「Takは私の名前です。」
「東京は日本の首都です。」

これが指定文です。

うなぎ文

日本語教育の用語の中でものすごくユニークな用語ですね。

こんな状況を考えてみましょう。

レストランで注文をしています。私はメニューを見ていますが、どれも美味しそうで何を食べるか決めかねています。

ウエイターさんにおすすめを聞いてみると、牛肉のステーキとうなぎのひつまぶしがおすすめだそうです。

お肉の気分じゃなかったので、ウエイターさんにこのように言います。

「じゃあ、私はうなぎですね。」

ウエイターさんは驚いてこう言います。

「えっ、あなたはうなぎなんですか。人間の言葉がお上手ですね。」

・・・・・・。

とはなりませんね。笑

「私はうなぎだ」というのはもちろん、私はうなぎではないですよね。

今までは「XはYだ」のXとYは関係がありました。

しかし、今回は「私」と「うなぎ」ですから、XとYに関係性がありません。これをうなぎ文と言います。

補足をすると、

「私はうなぎだ」というのは、「私はうなぎが食べたい。」や「私はうなぎがいいです」という意味なので、

うなぎ文とは述語を省略した文ということです。

他の例を挙げると、

「俺は石原さとみだ。」もうなぎ文です。

もちろん、「俺」が石原さとみなのではなく、

「女優さんは誰が好き?」のような質問に対して答えた文だと考えられますね。

まとめ

助動詞をまとめると以下のようになります。

助動詞
動詞・形容詞・名詞といっしょに述語になり、話しての気持ちを表現する
名詞が述語になるとき、「です・だ」を伴う。
名詞述語文は3種類
措定文・・・包摂関係
指定文・・・同じ
うなぎ文・・・関係無し

おわりに

助動詞は文法の枠組みとしてはやさしい品詞だと思います。

まとめもさっぱりとしていますね。

しかし、モダリティとして足を踏み込んでいくと、なかなかややこしい箇所でもあります。

今回はしっかり枠組み、概要を頭にいれて、モダリティと闘う準備を整えておきましょう。

ちなみに、たまに「AはBです」の意味は「A=B」ですという方がいます。学習者にわかりやすい点では問題ないのですが、

厳密にはちょっと違うことを教える人は知っておきましょう。


参考にした本

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この記事を書いた人

日本語講師として日本語学校に勤めています。日本語教育能力検定試験や日本語教育や現場についていろいろアウトプットしていこうと思っています。

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