格助詞とはどのようなものなのかは勉強しました。
しかし、具体的な用法については触れていないので、ここで触れようと思います。
格助詞は文の中で大事な役割を表すので、どんどん初級から出てきます。
格助詞と聞くと苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか。
というのも覚えることが多そうというのが理由なのかもしれません。
ですが、全部覚える必要もなく、覚えるべきポイントを掴めばそれほど覚えることは多くないです。
どのように考えればいいのか、見ていきたいと思います。
格助詞の種類
以前、格助詞は「が、を、に、で、と、へ、より、まで、から」の9種類がありました。
まず格助詞ってなんだっけという人はこちらを見てみてください。
[sitecard subtitle=格助詞の説明はこちら url=https://tak-japan.com/josi/ target=]
それぞれの格助詞はいくつかの用法を持っています。
例えば、格助詞「から」は「①起点」と「②原料」の用法があります。
②豆腐は大豆から作られます。(原料)
これは格助詞の1つですから、格助詞が9つもあるとなると、覚えるのに絶望的な気さえしてきますよね。
まず、もう一度言います。覚えなくても大丈夫です。
私も覚えていませんでした。
覚えなくてもいいですが、どんな用法があるのかだけ簡単にみていきます。
ガ格
ガ格は「①主体」と「②対象」です。
②田中さんはビールが好きだ。(対象)
ヲ格
ヲ格は「①対象」と「②起点」と「③通過点」です。
多いですね。
②毎朝6時に家を出ます。(起点)
③車が道を走ります。(通過点)
まだ2つ目なのに、ガ格もヲ格も「対象」の用法が重複してますね。こういうものがあるから覚えるのも嫌になってしまいます。
①の「対象」は問題はないと思います。言っていることが矛盾するようですが、先ほどの「を」がついたら他動詞というものの多くはこれに当てはまりますよね。例外は先ほど言いました。
②のヲ格の「起点」は「出発する、出る」のような動詞といっしょに使われやすいと思います。
③の「通過点」は移動系の動詞と一緒に使います。通過点の「を」を伴う初級の語彙だと「(公園を)散歩します」「(橋を)渡ります」「(道を)歩きます」「(空を)飛びます」のようなものが挙げられます。
ニ格
ニ格は「①場所」「②時」「③到達点」「④相手」「⑤目的」などがあります。
さらに増えてしまいました。
②5時に来てください。(時)
③ハチ公前に来てください。(到達点)
④弟に誕生日プレゼントをあげました。(相手)
⑤午後は買い物に行きます。(目的)
デ格
デ格は「①場所」「②方法・手段」「③原因・理由」「④主体」などがあります。まだこんなにあります。
②電車で行きます。(方法・手段)
③渋滞で遅れました。(原因・理由)
④一人で行きます。(主体)
ト格
ト格は「①共同動作の相手」「②相互動作の相手」です。
覚えたくなくなるような名前ですね。
②友達とケンカしました。(相互動作の相手)
へ格
ヘ格は「方向」です。
カラ格
カラ格は「①起点」や「②原料」などがあります。また起点がでてきましたね。
②豆腐は大豆から作られます。(原料)
ヨリ格
ヨリ格は「①比較」「②起点」などがあります。
②明日より予約が開始されます。(起点)
マデ格
マデ格は「到達点」を表します。
覚えるべきポイントについて
さて!
それぞれの用法を見てきました。覚えろと言われたら気絶してしまいそうな量だったと思います。
この用法の分類についても、さまざまです。例えば、赤本ではニ格は5種類でした。一方で8種類に分類されている本もありました。
この観点からも覚えるのはナンセンスだと思います。
ではどうすればいいのでしょうか。
格助詞は9種類あり、その種類は覚えておきます。つまり、「が、を、に、へ、で、と、まで、より、から」だけを覚えます。
それさえ覚えておけば、自分で例文を作ることができます。
そして自ら作った例文のなかでその格助詞がどのような意味を持っているのか考えることができれば、問題ないと私は考えます。
例えば、「で」を覚えたら、いろいろな例文を考えてみます(自分で作ることが大切です)。
箸で食べます・・・。
風邪で休みます・・・。
もちろん、「に」や「で」は用法が多かったなということを覚えておくのも、自分で文を作る時に役に立ちます。
日本語教育能力検定試験は問題形式から、「格助詞『に』の用法をすべて答えなさい。」のような問題は出ません。もし出るなら、
「次の文の中で使われている『に』の用法と同じものを以下の文から選びなさい。」のような問題です。
このような問題は上記の例のように用法を覚えていなくても分からなくても解くことができます。
暗記をできるだけ減らしたいのなら、このような視点も必要になってくるんだと思います。
結局、大切なことは、
この記事の大部分の用法はほとんどなくてもよかったということです。笑
まとめ
格助詞の用法をまとめるとこんな感じだと思います。
格助詞の用法はたくさんある。
全部覚えるのは大変なので
「が、を、に、で、と、へ、から、より、まで」の9種類を覚えて、
自分でいろいろな種類の例文を作りその例文から用法を考られるようにしておく。
おわりに
ただ教科書をみているだけだと、こんなに覚えなくちゃいけないの?と嫌になってしまいます。
特に文法事項は覚えることが多そうですが、考え方次第では暗記ポイントを減らすことができると思っています。(日本語教育能力検定試験の問題形式によるところも大きいです)
少しでも自分の頭で考えていけば、暗記の問題から考えたらわかる問題に変わることも少なくないです。
普段から頭を使って考えておくと、いろいろ役立つことが多いので、ぜひ頭に入れておくといいかもしれません。
参考にした本
コメント