特殊音素とは、撥音「ン」、長音「ー」、促音「っ」がありますが、今回は促音を見ていきましょう。
促音
促音は音素記号で /Q/ と表されます。僕は「促(そく)」→「速(そく)度」→「Quick(クイック)」のように覚えましたが、小さい「つ」のことですね。
これも撥音と同じように、後ろに来る音によって「っ」の発音が変わります。
まず、促音は、少し待って発音するということ知っておきましょう。
「いっっっっっっっっっっぱい勉強しましょう」の「っ」の部分は音としては何も聞こえていませんが、次の音の「ぱ」までじっと待つことを考えれば待つのは納得できると思います。
しかし、「っ」を発音するとき、は長期休暇のバカンスのように何もしなくてもいいわけではありません。何かをして待たなければいけないんです。その何かを見ていきます。
ルールは基本2つです。そのあと1つトリッキーなものを見ます。
①後ろの音が無声破裂音のとき
後ろの音が無声破裂音のとき、「っ」は無声破裂音になります。
意味はよくわかりませんが、にらめっこで「アップップ」と言いますね。「プ」は無声破裂音ですね。ですから、「プ」は口を閉じて、口の中に空気を溜めてから、一気に破裂させるように吐き出します。その前の「ッ」では、閉鎖状態のことです。
つまり、空気を少し長く溜めている状態です。「プ」だけの発音ではほんの一瞬だけ口に空気を溜めますが、「ップ」の場合は、「ッ」の1拍分の長さを口の中に空気を溜め続けている状態です。
ですから「ップ」の「ッ」のとき、口は開けられません。
そのことから、「ッ」は後ろの音の延長と考えられるので、直後の発音と同じ発音の記号になります。
アップップは [appɯppɯ] *「ッ」は [p]の記号で直後の [p] と同じ
一回は [ikkai] *「ッ」は [k]の記号で直後の [k] と同じ
②後ろの音が無声摩擦音のとき
後ろの音が無声摩擦音のとき、「っ」は無声摩擦音になります。
これも考え方は同じです。後ろに摩擦音が来ますから、「ッ」でその摩擦音の準備をしています。
破裂音の時は、口を閉じていますから、音は全く漏れませんが、摩擦音の時は、口が開いていますから、少し音が漏れます。
ですから、「おっさん」という時の「っ」で長く止めてみてください。きっと長く使った穴の空いた浮き輪から出るような「スー」という音が聞こえるはずです。
ですから、これも同様に、後ろが無声摩擦音の時も直後の発音記号と同じになります。
おっさんは[ossan]
脱走は[dassoɯ]
となります。
外来語の時は注意が必要
その単語が外来語の場合は注意が必要です。本来日本語にはなかった音があるからです。
例えば、ベッドやバッグですね。このパターンは促音の後の有声音が無声化していることが多いです。人によってはしっかり有声音で発音する人もいると思います。
どういうことかというと、
「ベッド」は「ベット」に、「バッグ」は「バック」に、マクドナルドの「ビッグマック」は「ビックマック」に、「アイポッド(ipod)」は「アイポット」に変えて読んでいませんか。
このように、「ッ」の後の有声音を無声化します。
感覚的に、ザ行・ダ行・ガ行が続くとこの現象は起きるような感じがします。
ただし、「キッズコーナー」は「キッスコーナー」ではなく、「キッツコーナー」のように「ズ」が「ツ」になったりと、注意がいりますと言いたいところですが、実際口にしてみると簡単にわかりますね。
おわりに
促音は撥音と違って、ルールは単純です。基本的には無声音が続き、摩擦なのか破裂の音なのかによって促音の発音が変わりました。
外来語のパターンは自分でいろいろと探してみると面白いと思います。
参考にした本