記憶③〜長期記憶の種類〜

ものごとを憶える時、記憶はやっぱり長い間残っていてほしいと思います。

漠然と長期記憶といってもその種類があります。

どんな種類があるのかをみていくことで、長期記憶に落とし込むヒントがあるかもしれません。

長期記憶は2種類あります。

宣言的記憶手続き的記憶です。

早速みていきましょう。

もくじ

宣言的記憶

宣言的記憶というのは、knowing whatに関わる記憶です。

なんで英語?と思いますが、結局は「何であるか知っていること」です。つまり知識のことです。

知っていること宣言的記憶ということですね。

例えば、前回の二重貯蔵モデルを提唱したのは誰と誰ですかと聞かれたとしましょう。

もう皆さんは大丈夫だと思います。

アトキンソンとシフリンですね。

もう誰(何)ということは知っていました。

つまり、二重貯蔵モデルはアトキンソンとシフリンだと宣言できたわけです。

知っていることは宣言できるので、宣言的記憶と覚えましょう。

そして宣言的記憶はさらに意味記憶エピソード記憶とに分けられます。

 

[sitecard subtitle=二重貯蔵モデルについてはこちらから url=https://tak-japan.com/nizyumoderu-workinhmemory/ target=]

 

意味記憶

勘の鋭い方ならもう漢字から意味を推測できそうですね。

宣言的記憶は知っていることでしたから、意味記憶とは、意味を知っていることですね。

言葉の意味知識の記憶なんかが意味記憶にあたります。

先ほどの二重貯蔵モデルの提唱者は誰かという答えを知っていることは知識の記憶になりますし、

二重貯蔵モデルとは何かということを知っていることは言葉の意味になりますね。

エピソード記憶

こちらも同様で、エピソード記憶とはエピソードを知っているということですね。

エピソードというのは文脈、ストーリーが必要だということです。

例えば、新商品を求めて開店5時間前から並んでいたのに、目の前で売り切れてしまってとても悲しかったというようなことです。

このような思い出が典型的な例ということから、経験したことというのが大切なのかもしれません。

他にも、何か物をなくてしまって困っている時にその日1日何をしていたか辿りながら思い出していくと不思議と見つけてしまったということって多くありませんか。

これもエピソード記憶だと思います。

手続き的記憶

宣言的記憶はknowing whatに関する記憶でしたが、

手続き的記憶とはknowing howに関する記憶です。

howですから、手続き的記憶とは「どうするかを知っている」ということです。つまり、技能や方法ですね。

宣言的記憶の「知っていること」に対して、「できること」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

子供の頃覚えたら、大人になっても忘れないものってありますよね。

水泳、自転車の乗り方などが浮かびます。

このような記憶を手続き的記憶といいます。

ちなみに興味深いのは、長年泳いでいない人が久しぶりに泳ぐ時、

「体が覚えているから大丈夫」と表現ですね。まさにこの手続き的記憶のことを言っていますね。

自動化

外国語ができるというプロセスを考えると、

まず宣言的記憶を獲得し、それを手続き的記憶へと移行することが大事です。

日本人は文法などの知識は知っているけど、英語は話せないなどと言われたりしますが、これは手続き的記憶のへの移行がうまくいっていないのかなというように考えることができます。

私の考えでは、その日本人が手続き的記憶へと移行ができさえすれば無敵じゃんとは思います。

それはさておき、この手続き的記憶への移行が終わり、さらにそのスピードが上がることを自動化と言います。

この段階だと「身に付けた」「マスターした」と言ってもいいレベルかなと思います。

ちなみに、日本語教育能力検定試験を受ける人はこの話は大切だったりします。

なぜなら、自動化されていないと合格率が下がってしまうからです。

日本語教育能力検定試験の試験II、つまり音声の問題は自動化できるようにしておきましょう!!

まとめ

まとめると以下のようになります。

長期記憶
宣言的記憶・・・何かを知っている
意味記憶エピソード記憶
手続き的記憶・・・やり方を知っている

 

おわりに

いかがでしたか。

なかなかショッキングだった人もいるかもしれません。

私もその一人です。

というのも「できる」ようになるには「ただ憶える」だけじゃなく手続き化させなければならないということだったので、

語学学習で単語帳を読んで勉強終わり、知識を入れて終わりという勉強方法も見直していったほうがいいかもしれません。

 

 


参考にした本

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この記事を書いた人

日本語講師として日本語学校に勤めています。日本語教育能力検定試験や日本語教育や現場についていろいろアウトプットしていこうと思っています。

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