特殊音素③〜長音〜

今回は特殊音素の最後である引く音です。

引く音の他にも、長音といったりもしますね。

長音とは、前の母音を1拍伸ばすものです。「カール」の「」のことですね。

この長音は音素の記号では /R/と書きます。

なんとなくwaterをウォータ、worldをワルドということからも

Rの文字を使うのはイメージしやすいと思います。

基本

まず、長音では平仮名ではもう一つ母音を付け足す
そしてカタカナでは「ー」を付け足す。

と考えればいいと思います。

例えば、

おかあさんは「おka aさん」のように「ka」 の部分の「a(あ)」が加えられています。

先ほどの「カール」は「ka a る」のようにこれも「a(あ)」が加えられていますね。

これは経験的に理解している人がほとんどだと思います。

もう一度、次は「おじさん」「おじいさん」の言葉で見ていきましょう。

「おじさん」の「じ(ʑi)」の母音である「i」を1拍加えることで、「おじいさん」の「じい(ʑii)」と発音しますね。

この長音の音声の表記は[ː]で表されます。英語の勉強の時に見たことがある方もいると思います。

よって、

おじさんは [oʑisaɴ]、おじいさんは[oʑiːsaɴ]のようになります。

基本は、前の母音と同じものが伸ばされます。

例えば、おかあさんは「あ」が、おにいさん「い」のような感じです。

ちょっと注意

基本は上記の通りなのですが、ちょっとした例外的なものがあるので、見ておきましょう。

エ段とオ段の長音はやや注意が必要です。

なぜなら、例えば、「携帯電話」をなんと読みますか。

そうですよね。

「けいたいでんわ」のことですよね。

ですが、多くの方はこれを読む時、

「けーたいでんわ」のように読みませんでしたか。

「けたいでんわ」ではなく「けー(え)たいでんわ」と読みませんでしたか。

アナウンサーのような職業でもない限り、普通の人は「けーたいでんわ」のように読んだのではないでしょうか。

言ってみれば分かりますが、「え(ー)」で発音した方が楽に発音できませんか。私はそう感じました。

このように、表記では「けいたいでんわ」でも、実際に発音してみると「けーたいでんわ」のようになってしまう。

表記では「い」でも、発音すると「え」になってしまうということがあるのです。

つまり、表記と音声にズレが生じてしまうことがあるので、エ段とオ段は注意しましょう。

他の例を挙げてみると、

王様「おうさま」、行動「こうどう」、経験「けいけん」、丁寧「ていねい」など。

そして

「オーサマ」、「コードー」、「ケーケン」、「テーネー」のように読みますね。

 

ただし、いつも起こるというわけではなく、起きない例もあるので気を付けましょう。

お姉さん「おねえさん」、通る「とおる」、氷「こおり」などなど。

 

おわりに

長音は細かく考えると大変そうですが、伸ばす音だという認識でも十分な気がします。

特殊音素は終わりですが、何よりもまず、撥音の「ん」をしっかり勉強するのがいいと思います。

また特殊音素は何より、学習者にとってとても難しい範囲でもあります。

何か楽しく身につける方法など試行錯誤していきたいと思いますね。

 

 

猪塚恵美子・猪塚元著(2018)『日本語の音声入門 解説と演習 全面改訂版』バベルプレス
ヒューマンアカデミー著(2018)『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版4刷』SHOEISHA

 

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