前回は形態素はどんなものなのかをみました。
今回は形態素がどんな特徴を持っているのかみていきます。
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形態素の種類
まず形態素の種類を見ていきます。
種類は日本語では2種類あります。
自由形態素と拘束形態素という名前です。
自由形態素
自由形態素とは、それだけで語になることができる形態素のことです。このことから、別名が独立形態素とも呼ばれます。
形態素とは意味を持った最小単位でした。よって自由形態素は語彙的な意味を持っているということになります。
語彙的な意味を持っているというのはどういうことかというと、
例えば、「雨雲」は {ame} {kumo} の2つの形態素から成り立っていますが、それぞれ「雨」「雲」と意味があるということです。「ame」「kumo」と聞いたら「雨」「雲」だと意味がわかるということです。これが自由形態素です。
自由、独立という言葉から自由形態素のイメージとして、ラーメン屋、カラオケ、焼肉など、なんでも一人で行けてしまう人を思い浮かべるといいかもしれません。
一人の時間が必要で、自分一人いれば楽しむことができるという人っていますよね。そんな人は他人と時間を合わせなくても自由で、一人でも意味をしっかりと見出せる。まさに自由な形態素という感じがします
拘束形態素
拘束形態素とは、自由形態素と違ってそれだけでは語にならず意味もなさない形態素のことです。別名が束縛形態素とも言われます。
例えば、「お茶」は{o}{cha}の2つの形態素で成り立っています。
{cha}は自由形態素ですよね。ですが、{o}は語としての意味はありません。
「cha」と聞いたら「茶」だと分かりますが、「o」と聞いても何の意味かさっぱり分かりません。
この{o}のように単独では語としての意味を持たず、他の形態素といっしょになってはじめて意味をもつ形態素が拘束形態素です。
先ほど形態素は意味を持つ最小単位だと言いました。拘束形態素は語としての意味は持ちませんが、文法的な意味を持っているんです。
文法的意味とは何かというのはちょっと説明に場所を取るので、ここには書かずにすぐ下で説明します。
拘束、束縛という言葉から、拘束形態素のイメージは、人目を気にして一人ではラーメン屋、カラオケ、焼肉などには行けず、だれかといっしょだったら行ける人という感じでしょうか。
動詞の形態素+文法的意味とは
自由形態素と拘束形態素はどんなものなのか分かりました。
でもちょっと待ってください。「雨雲」や「お茶」は分かりました。でも、語彙は名詞だけではありません。動詞も語です。動詞はどのように考えるのでしょうか。
勉強を始めたばかりの人なら、「食べた」という語は一つの自由形態素だと思ってしまうかもしれません。
しかし、残念ながらそれは間違いで、「食べた」は{tabe} {ta}の2つで成り立つと考えます。
というのは、{ta}は過去を表す拘束形態素と考えることができるからです。
大切なのは、{ta} は語としての意味はありません。語としての意味があるのは自由形態素です。{ta}は動詞といっしょに使われると過去を表すという文法的な意味を持つということなのです。
それでは「食べない」はどうでしょうか。
これは {tabe} と {nai} に分かれ、 {nai} は否定という文法的な意味ですよね。
まとめ
今日扱った範囲をまとめると、このようになります。
ーまとめー
自由形態素
単独で語になる、語彙的な意味をもつ
拘束形態素
単独では語にならない、文法的意味をもつ
おわりに
形態素の特徴や種類を見てきましたが、やはり思うのは、{ }のような記号が出てくると難しくなる、複雑になる、抽象的になるということです。
音声ではさらに勉強する範囲が広いことも大変にさせる要因かもしれません。しかし、形態素はその点多少は楽なのかなと思います。
みんなが苦手意識を持つ範囲こそ、得意になれば差がつきやすいので、一歩一歩確実に前に進んでいきましょう!!
参考にした本
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