形態体系③〜語幹と接辞〜

前回は自由形態素と拘束形態素について勉強しました。

もう少し語の構造について見ていきましょう。

 

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もくじ

語幹と接辞

さて、語彙的な意味を持たない形態素は何でしたか。

そうですね、拘束形態素です。これと同じと考えていいものが接辞です。

茶」だったら、{o}が、「食べ」だったら、「食べ」「食べない」「食べよう」に変わるといっしょに変わってしまう部分、つまり、{ru}{nai}{you}が接辞となります。つまり、青字のところが接辞です。

そして、「食べる」について、語尾が「た」「ない」「よう」に変わっても変わっていない部分があります。このように、語尾が変わる語の中で、変わらない部分を語幹と言います。

食べる」だったら、{tabe}の部分が語幹です。赤字のところですね。

つまり、語幹語彙的な意味を持っていて、それに接辞がくっつくことで、文法的意味が付け足されるということになります。

「食べた」=「食べる」という語彙的意味 +「過去」という文法的意味

ということですね。

接辞の種類

接辞は語幹にくっついて文法的意味を与えるということでしたが、今から4種類見ていきます。

それぞれ、接頭辞、接尾辞、派生接辞、屈折接辞の4つです。

あっ、ちなみに「くっつく」の「くっ」も接辞ですね。

1、接頭辞

接頭辞とは漢字から想像できるように、語幹の頭、つまり語幹の前にくっつきます

「お茶」の「お」はその典型例です。他にも不真面目も「不」などもこれにあたります。

語幹の前にくっつくから接頭辞です。

2、接尾辞

これも接頭辞と同様に漢字から想像できます。語幹の尻尾、つまり語幹の後ろにつくから接尾辞です。

「食べた」の「た」や、「真面目さ」の「さ」もこれにあたります。

語幹の後ろにくっつくから接尾辞です。

接頭辞も接尾辞もただ位置が違うだけなので難しくないと思います。

3、派生接辞

派生接辞とは、品詞を変える、別の語をつくる働きがある接辞です。

例えば、「効率」という名詞は「的」という言葉をつけると、「効率的」となりこれはナ形容詞に変わりました。名詞から形容詞へ品詞が変わりました。

また、「食べる」という動詞に「方」をつけると「食べ方」になり動詞から名詞に変わりました。意味も「食べる」から「食べる方法」に川ていますね。

品詞を変える接辞が派生接辞です。

4、屈折接辞

最後の屈折接辞とは、文法関係の変更に関わる接辞です。

一体どういう意味でしょうか。

よく使っている例「食べた」について「食べ」が語幹「た」が接辞というところまでは説明した通りです。

そして「食べる」についても同様で、「食べ」が語幹「る」が接辞ですね。

どちらも動詞です。品詞の変更はありません。

変更があったのは、「た」→「る」です。つまり、タ形から辞書形に変わっています。

つまり、文法的に「過去」から「非過去」に変わりました。

これが、文法関係の変更に関わるという意味です。

 

まとめ

今回の内容をまとめると以下のようになります。

ーまとめー

語幹・・・語尾が変わる語の変わらない部分
接辞・・・基本的に拘束形態素と同じ、4種類ある
1、接頭辞・・・語幹の前
 2、接尾辞・・・語幹の後ろ
   3、派生接辞・・・品詞を変える
   4、屈折接辞・・・文法を変える

おわりに

語幹と接辞について見てきましたが、英語が得意だった方には易しい内容なのかなと思います。

英語には「like」という「好き」という意味の単語がありますが、「dis」という接頭辞をつけると「嫌い」という意味になったり、「agree」という「賛成する」という単語に接尾辞の「ment」をつけると、「agreement」で名詞となり「賛同」という意味になったりするからです。

こうやって学校で学んだ教科がさまざまなところで役に立ってくると、やはり学校教育は侮れません。しかも、日本語とは全く関係のない英語の科目がこうも関わってくるなんて、びっくりします。


参考にした本

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この記事を書いた人

日本語講師として日本語学校に勤めています。日本語教育能力検定試験や日本語教育や現場についていろいろアウトプットしていこうと思っています。

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