形態体系①〜形態素とは〜

今回からは形態論について少しずつみていこうと思います。

今までは音声でなかなか大変でしたが、形態論はちょっとだけイメージしやすくなると思います。

ただ日本語教育能力検定試験では形態論の全てを扱うわけではなく、むしろ一部だと認識しています。

だから赤本にも形態論というタイトルではなく、形態体系となっているのではないかと個人的に思います。

ではその形態論(体系)とはどんなものなのでしょうか。

形態論

形態論とは、語の構造を扱う学問です。

」というのがポイントです。

音声は目には見えないのでイメージしにくいところがありますが、語は目に見えるので少しは学習しやすいと思います。

先ほどイメージしやすいといったのはこれが理由です。

とりあえずは語の学問なんだと頭に入れておいてください。

形態素

忘れてしまいましたが、どこかで学問とは分けること、のような言葉を聞いたことがあります。

たしかにそうだなあと納得させられます。

「言葉」の意味が曖昧だから、ラングとパロールに分けて考えようというのもその例かもしれません。ラジオが壊れてしまって何が原因か調べるために分解するのもその例かもしれません。

ラングとパロールの復習はこちらから!!

ラングとパロール これまでは、言語の性質として、特徴をみていきましたが、まだ他にもあるので、紹介していきたいです。 ソシュールは言葉をいくつかに区別しました。 それを、ラングとパロールといいます。 「言葉」と聞くと意味の[…]

語も同様です。

語も分けてしまおうということです。

例えば、「雨雲」という語を分けると、「雨」と「雲」とに分けられます。

「雨」も「雲」もこれ以上分けることができませんよね。(もちろん、「あ」「め」「く」「も」のように分けられますが、それは「語」の研究ではなく、「音」の学問になってしまいます。)

この、これ以上分けられない、意味の最小単位形態素と言います。そして形態素は{ }の記号で表します

「雨」と「雲」の場合はそれぞれ{ame}、{kumo}となります。

異形態

先ほどの語「雨雲」ですが、意味の最小単位である{ame}と{kumo}が結びついてこの語になることは問題ないと思います。

しかし、「雨雲」は「あめくも」と読みません。「あまぐも」と読みます。

{ame}と{kumo}が実際には/ama/と/gumo/に形が変わって「あまぐも」となります。(今は//の記号は無視していいです)

一方、「雨男」という語は{ame}と{otoko}の形態素から成り立っていますが、

{ame}はそのまま /ame/として使われ、何も形が変わっていないので「あめおとこ」となります。

つまり、{ame}は/ame/でも/ama/でも正しいということになります。{ame}という形態素は/ame/や/ama/のように音が変わって現れるということです。

このとき、/ame/と/ama/は異形態と呼ばれます。

・・・

さあ、今ピカッと頭から豆電球が光った方はいますか。

この関係ってどこかでみたことがあると思いませんでしたか。

そうです。異音のことです。

異音の復習はここから!!もし下の例がよくわからなかったらこちらを確認してから!!

今回は音声・音韻体系についてみていきたいと思います。 とはいっても、音声学・音韻論の超入門といってもいいかもしれません。 また音声学、音韻論では[ ]や/ /の記号がよく出てきますが、違いを説明できますか。 今までに音声系[…]

 

音素/s/には、[s]と[θ]が所属していて、そのそれぞれを異音と呼びました。
そして
形態素{ame}には、/ame//ama/が所属していて、そのそれぞれを異形態と呼びます。

なんか似ていますね。まとめとイメージしておくといいと思います。

要するに、

形態素{ame}というグループには異形態/ame/と/ama/というメンバーが存在していて、

男(バラエティー番組)と相性が良いのはトークが上手な/ame/さんにおまかせして(あめおとこになる)、

雲(ニュース番組)と相性が良いのは大学卒の/ama/さんにおまかせせする(あまぐもになる)という感じです。

おわりに

今回は形態素をメインにみてきました。次回は形態素をもう少し細かくみていく予定です。

ちなみに上の例は渾身の例になるので、わかりやすかったら本当に嬉しいです。

まだ記号が出てきて、抵抗感のある人もいるかと思いますが、次回からはもうちょっと具体的になると思うので、楽しみにしておいてください。

 

 

斎藤純男著(2017)『言語学入門』三省堂
ヒューマンアカデミー著(2018)『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版4刷』SHOEISHA

 

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