調音法の種類

 

今日は調音法の種類をみていきたいと思います。

子音は、息が妨害されることが大事でしたが、調音法とは、どうやって妨害するかということでしたね。

今回メインで扱うのは6種類です。1つずつみていきましょう。

前提

と言いましたが、その前に確認しましょう。

一般的に、何か話す時、息は肺から口へと流れています。しかし、すべての息が口から出るわけではありません。口の他に息が出る可能性があるところはどこですか。

そうですね鼻です。

息は肺から口や鼻を通して体外に出ます。口からだけではないということです。

鼻音

鼻の音で、鼻音です。息は口と鼻から出るにも関わらず、鼻音と言います。それはつまり、鼻の音であって、口の音ではないということです。

口の中の場所(調音点)が閉鎖されることによって、息が口から出られなくなります。そのために、息は、もう一つの出口である鼻を通って出ていくしかありません。

入り口が一つで、出口が二ヶ所あるY字型のトンネルで、片方が工事中で封鎖されているなら、もう片方から出るしかないということです。

それはつまり、もし残された道までも封鎖されてしまったら出口がなくなることになります。

鼻音の例として、マ行の子音部分が鼻音なのですが、鼻をつまみながらマミムメモと言ってみれば、かなり言いにくいはずです。

それはマ行は鼻音で、息が鼻から出なければならないのに、鼻をつまんでいるため、鼻から出られないからです。

破裂音

破裂音とは破裂する音です。

まず口の中に閉鎖を作り空気を少し溜めます、そのあとその閉鎖を一気に解放し息を出す瞬間的な音です。

すこしトンネルの例が使いにくいので、別の例を挙げます。

パンパンに膨らんだ風船を針で勢いよく指したら、「パァアン!!!」と一気に破裂するイメージです。

出口が見つけられない溜まりに溜まった空気は、出口ができた瞬間に一気に出ていくという感じですね。

一時的に出口が見つけられないということは、一時的に出口がないということです。もし鼻から息が出られる状態なら、口に空気もたまらず、鼻から出ればいいだけです。それができないということは、破裂音は、鼻から息は出ないということになります。

破裂音の例は、パ行やバ行などがあります。

摩擦音

摩擦の音ですね。要するに何かと何かが擦れる音です。擦れるということは、ぶつかるかぶつからないかのギリギリだからこそ擦れます。

つまり、摩擦音とは、口の中に息が通れるかどうかの狭い道を作り、そこで擦れて出る音です。

これも破裂音と同様に、鼻から息が出られるなら、わざわざ狭い道を通る必要はないので、鼻から閉鎖されています。

摩擦音の例は、なすびの「す」や、おじさんの「じ」と「さ」などです。

破擦音

破裂や摩擦は聞いたことがある言葉だと思いますが、生活していて破擦という言葉はまず聞かないと思いますが、簡単です。

裂と摩から1文字ずつとった言葉です。

つまり、破裂と摩擦の特徴をもっているということなんです。

破裂音は、口の中に閉鎖を作り空気を溜め、一気に解放する音で、摩擦音は口の中に狭い道を作り、息が擦れる音でした。

この特徴を合わせると、破擦音とは、

口の中に閉鎖を作り空気を溜め、一気に解放するのではなく、少しだけ解放し狭い道を作ることで摩擦が起こるということです。

イメージとしては、パンパンに膨らませた風船を割ろうと針で刺したものの、割れずにその穴から、プシューと空気が抜けていく感じです。

チーズの「チ」やズッキーニの「ズ」などが破擦音です。

弾き音

弾き音は、その名の通り、口の中で、舌を1回弾いて出す音です。

まず「あー」と言いながら、軽く舌先を歯茎(上の歯の裏)に触れて、その舌を軽く弾くと、「らー」という音に変わりませんか。

このことから、ラ行は弾き音になります。

半母音

まず、「か」と言う時、子音の「k」と母音の「a」の2つを滑らかにつなげることで、「か」と聞こえます。

このように、母音の「イ」と「ウ」が上の例の子音のように働いて、母音と滑らかにつながる音を半母音と言います。

ちょっとわかりにくいので具体例をみてみましょう。

「k」と「a」で「か」となるように、「i」と「a」を滑らかに言ってみてください。

わかりにくければ、「い」と「あ」と高速で何回も言ってみてください。ポイントは、「い」は一瞬しか言わないことです。

別の音に聞こえませんか。

答えは「や」です。

他にも、「う」と「あ」で「わ」もあります。

このように、半母音はヤ行とワのことです。最初に母音を短く読むので、長さが半分の母音だから半母音と言うのでしょうか。

また、接近音とも言います。

その他の調音法

他によく聞くのが、震え音側面音の2種類ですが、日本語では、基本的には使わない調音法なのでここでは扱いません。

一言で言うなら、震え音は、スペイン語などである、舌が震える音。

側面音は、英語の「L」の発音に当たります。

おわりに

6種類の調音法を勉強しましたが、まだ具体的内容には踏み込んでいません。

今回は、こんな方法で子音を発音しているのかと認識して欲しいのと、いくつか具体的な単語なども書いておいたので、実際に発音してみて口の中の息の流れを感じてみることが大切です。

次回は、多くの人が挫折をしたくなるようなみたことのない記号が少しずつ出てきます。意味を理解しながら進めていくとアレルギー反応は起きにくいと思いますので、楽しんでいきましょう。

 

 

猪塚恵美子・猪塚元著(2018)『日本語の音声入門 解説と演習 全面改訂版』バベルプレス
ヒューマンアカデミー著(2018)『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版4刷』SHOEISHA
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