今回は「ン」以外の「ヒ」と「フ」の二つを扱います。
ヒ
ハ行の「ハヘホ」は調音点が声門でした。口の中が調音点というより、口の奥というような感じでした。それゆえ、調音点が摩擦音だと言われてもあまり実感が湧きませんでした。
そして「ヒ」はイ段の音なので、その口蓋化の影響で、調音点が硬口蓋に変わります。他はかわらかったので、変わらずに無声音・摩擦音になります。
どうして声門の音が口蓋化で硬口蓋に変わるのかはわかりませんが、おそらく、「イ」の調音に影響されたからでしょう。
そして「ヒ」のIPAの記号は[çi] と書きます。
アルファベットのCにニョロニョロがくっついています。
僕は、これを『ヒ』ゲと読んでいるので、ヒゲの「ヒ」と覚えています。
フ
「フ」も変わり者です。「ハヘホ」とかわらず、無声音、摩擦音なのですが、調音点は声門でも、硬口蓋でもありません。
調音点はどこだと思いますか?
ヒントは摩擦音ですから、とある場所を狭くして空気を摩擦させている訳です。
・・・そうですね。答えは両唇です。実際に発音してみるとわかりますが、例えば、誕生日のケーキのろうそくを吹き消す時の「フーッ」のときも両唇が近づきますね。
そして調音点が違いますから、IPAの記号も変わります。
「フ」は [ɸɯ]と書きます。
僕はこの形が果樹園の地図記号、そうでなくとも果物に似ていると思うので、『フ』ルーツの『フ』と呼んでいます。
まとめ
「ヒ」・・・無声音、調音点は硬口蓋、調音法が摩擦音。[çi]
「フ」・・・無声音、調音点は両唇、調音法が摩擦音。 [ɸɯ]
おわりに
今回はサクッと説明できました。そのおかげで、今までの記事が少し長くて、長ったらしい説明になってしまったようにも感じました。
目標はわかりやすくなので、これくらいシンプルにできるだけまとめられるように頑張っていきたいです。
さて、次はいよいよ最後の「ン」です。すこしややこしいですが、とても楽しいと思います!
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