【五十音と音声⑦】ヒとフ

今回は「ン」以外の「ヒ」と「フ」の二つを扱います。

この記事は前提知識として、調音点、調音法、IPA(国際音声記号)の知識が必要です。
わかりやすく解説しているので、以下の記事を参考にしてみてください。

あわせて読みたい
口の中の用語(調音点) 日本語教育能力検定試験を攻略するための子音の知識をわかりやすくするための準備として、口の中の場所の専門用語を説明します。
あわせて読みたい
調音法の種類 鼻音、破裂音、摩擦音、破擦音、弾き音、半母音など、子音の発音のために必要な調音法の種類についてわかりやすく説明しています。
あわせて読みたい
IPA(国際音声記号)とは 音声を難しくする要素であるいろいろな記号、簡単に言えば発音記号であるIPAとそれをなぜ学ぶのかも併せて説明していきます。
もくじ

「ヒ」の発音

ハ行の「ハヘホ」は調音点が声門でした。口の中が調音点というより、口の奥でした。それゆえ、調音点が摩擦音だと言われてもあまり実感が湧きませんでした。

それでは「ヒ」はどうでしょうか。

「ヒ」はイ段の音なので、その口蓋化の影響で、調音点が硬口蓋に変わります。

口蓋化では、調音点以外は変わらなかったので、変わらずに無声音・摩擦音ですね。

どうして声門の音が口蓋化で硬口蓋に変わるのかはわかりませんが、

そして「ヒ」のIPAの記号は [çi] と書きます。

ç

アルファベットの「C」の下から顎ひげのようなものが生えていますね。

ヒゲの「ヒ」と覚えましょう。

あわせて読みたい
【五十音と音声③】ナ行・ハ行・バ行・パ行 一部を除いたナ・ハ・バ・パ行について、どのように調音・発音され、発音記号でどう書かれるのかをできるだけわかりやすく説明します。

「フ」の発音

「フ」は変わり者です。

「ハヘホ」とかわらず、無声音、摩擦音なのですが、調音点は声門でも、硬口蓋でもありません

調音点はどこだと思いますか?

ヒントは摩擦音ですから、とある場所を狭くして空気を摩擦させている訳です。

発音してみるとわかるかもしれません。「ふ」と言ってみましょう!

わかりましたか?・・・そうですね。答えは両唇です。

実際に発音してみるとわかりますが、例えば、誕生日のケーキのろうそくを吹き消す時の「フーッ」のときも両唇が近づきますね。

そして調音点が違いますから、IPAの記号も変わります。

「フ」は [ɸɯ]と書きます。

ɸ

僕はこの形が果樹園の地図記号、そうでなくとも果物に似ていると思うので、『フ』ルーツの『フ』と呼んでいます。

あわせて読みたい
【五十音と音声③】ナ行・ハ行・バ行・パ行 一部を除いたナ・ハ・バ・パ行について、どのように調音・発音され、発音記号でどう書かれるのかをできるだけわかりやすく説明します。

まとめ

「ヒ」「フ」は以下のようにまとめられます。

おわりに

今回はサクッと説明できました。

「ヒ」「フ」もなかなかの変わり者ですが、口蓋化がおかしすぎたおかげでそんなに難しくなかったかもしれません。

さて、次はいよいよ最後の「ン」です。すこしややこしいですが、とても楽しめると思います。


参考にした本

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

日本語講師として日本語学校に勤めています。日本語教育能力検定試験や日本語教育や現場についていろいろアウトプットしていこうと思っています。

もくじ