第一言語習得①〜言葉の定義〜

第一言語の勉強をしていく上で、わかりにくいのは言葉の定義の部分だと思います。

第一言語、母語などの意味が似ている言葉が登場して、教材によって意味は同じですと書かれているものや意味が違いますと書かれていることもあり、「結局どっちなの?」と混乱してしまいますね。

他にもそれらの言葉と似ている母国語と公用語の意味も紛らわしいですよね。

というわけで、今回は言葉の定義を確認していきたいと思います。

もくじ

「第一言語」「母語」「母国語」「公用語」の意味

わかりやすい公用語から見ていきましょう。

公用語

公用語とは、国や地域の公の場所で使う言語として決められた言葉です。

ポイントは「公」です。

例えば、公用語が日本語とフランス語の国であるならば、市役所などの公的機関では日本語でもフランス語でも平等にサービスが受けられなければならないということです。

「公」的に「用」いると書きますので、推測もしやすいですね。

ベトナムならベトナム語、ネパールならネパール語が公用語です。

いろいろな人種が住んでいる国では、複数の公用語が決められていたりします。ヨーロッパでは、複数の公用語が決められている国がとても目立ちます。

公用語に定められると、公的な情報はすべての公用語で国民に伝えなければならないため、アメリカのような国では反対に公用語が決められていない国もあります。(州レベルでは規定されてはいます。)

ちなみに日本の公用語は、なんだと思いますか?

答えは、正式にはありません。

びっくりしますが、事実上は日本の『公用語』は日本語ですが、実際に公式には定められていないのです。

さらに驚くべきことに、日本以外で日本語が公用語の国があるんです。

パラオという国です。

おもしろいですね。

母国語

次にわかりやすいのは、母国語でしょう。

母国語とは、「母国の(言)語」と書くので、自分の国の言語という意味です。

例えば私の場合は、日本国籍を持っているので、母国語は日本語ということになります。

他の例として、日本人夫婦がアメリカに移住し、子供が生まれた場合、母国語は英語になります。

自分の国の言語という意味から公用語と意味が混同しやすいと思いますが、公用語は「公」で使う言語で自分には関係がありません。一方、母国語は自分に関係してくる点が大きな違いです。

母語

ここからの母語とその次の第一言語という言葉は非常に難しいポイントになると思います。

母語というのは、生まれてから最初に身につけた言語のことです。

日本人の場合、多くは母語は日本語になるでしょう。

日本生まれで、最初に身につけた言語は日本語なので

母国語=母語=日本語

ということになります。

次は帰国子女の場合を考えてみましょう。

例えば、アメリカ生まれアメリカ育ちで幼少期はアメリカで過ごし、日本へ来て日本の国籍を取得した場合、母語と母国語は同じではありません。

母語=英語、母国語=日本語

となります。

このように母語と母国語が異なるケースは非常に多くあるので、気をつけなければなりません。

第一言語

この言葉は母語との意味の違いが本当にわかりにくいですよね。

しかし、第一言語は意味が二つあると考えると理解がしやすいです。

①生まれてから最初に身につけた言葉という意味

②得意な言葉という意味

つまり、第一言語という言葉を使う場合、①の意味で使われるときには、母語と同じ意味になりますが、② の意味で使われるときには、母語とは違う意味になります。

このように理解しておくといいのかなと思います。

まとめ

まとめるとこのようになると思います。

<公用語>
公的な機関で使われる言語
<母国語>
自分の国の言語
<母語>
最初に身につけた言語
<第一言語>
①最初に身につけた言語=母語
②得意な言語

おわりに

今回は意味が誤解しやすい言葉を扱いましたが、検定試験では、赤本でもあえて区別しないと書いてあるくらいですから、意味の違いを答える問題は出ないと思います。

しかし、出ないから勉強する必要がないわけでは決してなく、これからみなさんが接する学生さんのアイデンティティに関わる大切な範囲だと思うので、理解しておいたほうがいいと思います。

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この記事を書いた人

日本語講師として日本語学校に勤めています。日本語教育能力検定試験や日本語教育や現場についていろいろアウトプットしていこうと思っています。

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