私たちは言葉が話せるから物事を考えることができるのでしょうか。
それとも、言語が話せることは物事を考えることと関係がないのでしょうか。
「思考」と「言語」はとても密接に関係があります。
この2つの言葉が今日見ていくサピア・ウォーフの仮説というものを理解するために大切です。
ではどんな仮説なのか。見ていきましょう。
サピア・ウォーフの仮説とは
サピア・ウォーフの仮説とは、人間の思考は言語に依存するのではないかという仮説です。
この仮説を提唱したのがサピアさんと、ウォーフさんだったので、名前からサピア・ウォーフの仮説と呼ばれています。
そもそも、仮説という名前がついているので、ざっくりとしたなイメージとしては、「私たちはきっと人間の思考は言語に依存していると思うんだけど、でも完全な根拠や証明ができないから、仮説です」という感じでしょうか。
つまり、本当に人間の思考が言語に依存しているのかはわからないということです。
本当にそうなのか分からないからこそ、2つの考え方が出てきます。
それが強い仮説と弱い仮説です。
強い仮説
強い仮説とは、
「そうですよ。言語が人間の思考を決めているんですよ。思考は言語に依存しているんですよ。」
というものです。
ちょっと極端な感じがしてしまいました。
言語が思考を決定しているということは、反対に話せない人は思考ができいないということになってしまいます。
その極端さがなんとなく伝われば、「強い」仮説と言うのが、イメージしやすいと思います。
このような特性から、この強い仮説は言語決定論と言われています。
弱い仮説
弱い仮説とは、
「たしかに、言語と思考は関係性がある。しかし、言語が思考を決定するというのは言い過ぎなのではないのか。言語は思考に影響を与えるくらいの関係性なんじゃないのか。」
というものです。
この説は、言語相対論とも言われます。
まとめ
強い仮説:言語が思考を決定
弱い仮説:言語は思考に影響
おわりに
私の感覚だと、弱い仮説のほうがしっくりくるのですが、みなさんはどうでしょうか。
ただし、どちらが優れている正しいのかというのは私が決めることではないので、こういう考え方があるんだなあと頭に入れておくのがいいと思います。
この仮説はなかなか難しくて、完璧な例かどうかは分かりませんが、虹の色は住む国や文化によって異なると言うのを聞いたことがあります。
日本では7色ですが、他の国では6色や5色の国もあるそうです。これは本当に見えている景色が違っているわけではありません。同じ場所で違う国出身の2人が同じ虹を見たとしても見えた色が違うことになると思います。
これは、言語の違いによって、概念や認識に差が出るから、つまりサピア・ウォーフの仮説の例だと思いました。
役に立つかは分かりませんが、サピアとウォーフの2つの名前があることから「2」という意識で、「言語」と「思考」の2つのキーワードが連想できたらいいのかなと思います。
参考にした本
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