言語記号の特徴⑤〜通時態と共時態〜

前回もソシュールさんによって区別された、ラングとパロールについてみました。

今回見ていく「通時態」と「共時態」についてですが、2文字目に「時」の漢字があることから、時間に関係してくる考え方になります。

どのように関係していくのか見ていきましょう。

ラングとパロールの復習はこちらから

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通時態(つうじたい)とは

まずこの「通時態」と後に出てくる「共時態」について共通している3つ目の漢字の「態」という漢字について、

ちょっと見慣れない漢字なので調べてみます。

旺文社の漢和辞典によると「①こころがまえ。身がまえ」とあります。この意味が「態度」の「態」に現れています。

よって、通時態とは、あるこころがまえや態度のことだと考えることができます。

次に通時態の「通時」については、「時間を通して」のような推測は難しくはないと思います。

ここまでをまとめると、

通時態とは、時間を通す態度というように考えられますが、まだ少しよく分かりません。

ですが、今は言語についてのお話をしているということを考慮すると、

通時態とは、時間の流れを通して、その言語の変化をみる心構え、態度ということです。

過去があり、今があり、そして未来へと時間が流れていますが、言葉も絶えず変化し続けます。

その言葉の変化に注目します。

例えば、「ハ」行は昔は「ハ」とは発音していませんでした。昔は「は」ではなく、「ぱ」と読んで、その後「ふぁ」になって「わ」になったことがその例だと言えるでしょう。ちなみにこれはハ行転呼といいます。横書きの文字も、今は左から右に読みますが、昔は右から左に読みました。このような変化も通時態的と考えることができますね。

このように、時間の流れを線のように捉え、変化を見ていく態通時態です。

通時態のイメージ

共時態

次は共時態ですが、こちらも漢字からの推測やイメージで説明ができなくはないのですが、ややこじつけ感が出てしまい、ややこしくなってしまうので、簡単に通時態の反対のようなものと考えていくのが良さそうです。

先ほど通時態は、時間の流れを線のようにとらえる態度だと言いましたが、共時態は時間の流れを考えないで、時間を点でとらえる態度だと考えるのが分かりやすいと思います。

いろいろな言語を比較する学問があります。

例えば、英語は先に言いたいことをいう言語なのに対して、日本語は最後まで聞かないとわからない言語だと言われることがあります。

この例えは、「現在という時において、日本語と英語について考えている」と捉えられます。

この言語学は比較言語学と言いますが、いくつかのものを「共に(いっしょに)」くらべていると考えれば、漢字からのイメージにもつなげることができます。

他にも、日本人は学校で古典を勉強しました。昔の言葉の文法を勉強しましたが、これも昔の時点の言葉を勉強すると言う点で、共時的だと言えるのかもしれません。

外国語学習の勉強は基本的に共時態をイメージしてもらえればいいと思います。というのも、話せるようになるために外国語を勉強しているのに昔からの言葉の歴史を勉強しても意味がないですよね。今この時点で通じる外国語を勉強しているという点で共時態的だと言えるでしょう。

共時態のイメージ

おわりに

今回で言語の特徴や性質を見てきましたが、まだまだいろいろな区分があります。

本当にいろいろな人が言語について考えてきたんだと思います。

次もまだまだ続きますが、違う点としては、ソシュールではない言語学者たちによるものだということです。

 

 

斎藤純男著(2017)『言語学入門』三省堂
ヒューマンアカデミー著(2018)『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版4刷』SHOEISHA
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