言語記号の特徴④〜ラングとパロール〜

ラングとパロール

これまでは、言語の性質として、特徴をみていきましたが、まだ他にもあるので、紹介していきたいです。

ソシュールは言葉をいくつかに区別しました。

それを、ラングパロールといいます。

「言葉」と聞くと意味の範囲が広すぎるので、もっと「言葉」の意味を絞り込もうとしたんだと思います。

つまり、基本的には、ラングパロールも意味は「ことば」だということ。

これを頭に置いておくといいと思います。

それでは、ラングパロールはどんな言葉なのでしょうか。

ラング

ラングとは、「言語」や「言語体系」と訳されることが多い言葉だそうです。

言語と聞くと、フランス語だとか、英語だとか、日本語のようなことが頭に浮かぶ人が多いのではないでしょうか。

とりあえずは「〜語」という考えで、間違ってはいないと思います。

それでは少し進んでみましょう。

問題です。

朝、人にあったら何と言いますか。家に帰ったときは何と言いますか。

「えんぴつ」←これは何と読みますか。

簡単な問題でした。答えは書くまでもないと思います。

それでは同じ問題を日本語の知識が全くない外国人にしてみたらどうでしょうか。

ほとんど全員がわからないことでしょう。

しかし、私たちにとっては、簡単です。それは私たちには日本語のルールがわかるからです。

みなさんが頭の中に、このときはこう言う、あの場合はああ言うのような日本語のルールがあるからです。

このように、ある社会の中で使われる、体系的な言語(ことば)のことをラングと言います。

簡単に言うと、頭の中の言葉のといったところでしょうか。

日本の人は日本語で物事を考えますが、フランスの人はそうではありません。フランスの人に「おはよう」と言っても全然通じません。

これは、頭の中の言葉が違うからです。

パロール

ラングは、頭の中の言葉と言いましたが、パロールは違います。

パロールとは、ラングが実際に使われたもののことに使います。

ちょっと分かりにくいですね。

例えば、「かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこ、あわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ」という早口言葉があります。

私たちにはラングに基づいて、ゆっくりなら正確に発音することができます。

しかし、実際に早く読んでみると、「かえるポコポコ」や「むぴょこぴょきょ」のように間違えてしまいます。

日本語のルールは知っているので、平仮名が正確に読めるにもかかわらず、いざ実際に早く言ってみると、言い間違えてしまいます。

読み方はわかっているのに、実際に読んでみるとルール通りに読めない。

正しく間違えずに実際に言えた言葉も、正しく言おうとしたが、実際には言えなかった言葉も、実際に使われた言葉なので、これをパロールと言います。

ラングと対比させてみると、ラングは頭の中の言葉としましたが、パロール頭の中を飛び出した実際に使われた言葉ということになります。

よって、普通に話された言葉も、ためらいや言いかけてやめるなどの中断もパロールに含まれます。

ちなみに、ラングとパロールの関係は、楽譜と演奏に喩えられることが多いそうです。

楽譜(ラング)は誰がみても同じであり、言ってみれば作曲者の頭の中ということになります。

しかし、その楽譜通りに演奏(パロール)しようとしても演奏する人のレベルや楽器によって全く違う音になるということだと思います。

とても興味深い例です。

おわりに

今回はラングとパロールについてみてきました。

対策本ではなかなかページを使って説明はされていないことも多く、分かりにくいこともあると思います。

特にラングは説明が抽象的なことも多く、なかなか分かりにくかったです。

そう言った理由からよし暗記しようというような思考に陥ってしまうこともあるでしょう。

もちろん、それでできるなら、全く問題はないのですが、検定のように範囲が広かったり、受検者にそんな時間はないという方も多いことから、なるべく理解しておけると負担も減ると思います。

 

 

斎藤純男著(2017)『言語学入門』三省堂
ヒューマンアカデミー著(2018)『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版4刷』SHOEISHA参考

 

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