今回からは態(ヴォイス)というものについて見ていこうと思います。
態(ヴォイス)と聞いて全く聞き慣れないものなので、それだけで苦手意識をもってしまいますよね。簡単に態とは受身とか可能のような文法の名前のことです。具体的に聞くと大したことないと思えるかもしれません。
文法は日本語教育能力検定試験でも大切な分野であることは間違い無いのですが、深く勉強していくと底無し沼のようにハマってしまい他の勉強ができなくなる可能性もあるので、バランスが大切になってきます。個人的には浅く知っておけば良いと思っています。
というのは実際に使われる文法なので、我々はもうすでに使えているというのが1つの理由で、もう一つは深く勉強するのは実際に学生に教えるようになってからでも十分に機会があるからです。
そもそも態(ヴォイス)とは
そもそも態って何?
というところから入りたいと思います。
私は受検の当時は「ヴォイス=受身とか使役とかのこと」というイメージでしたが、今のところそれでも大きな問題はないので、そういう認識でもいいのかなと思っています。
ただそれだけだとどうなのかなと思い、もうちょっとだけ調べてみました。
そうしたら何と!!全然何のことだかわかりませんでした。笑
専門用語の意味を辞書を使って調べると、一般の人には難しくて読む気すらなくなることってありませんか。
ということで、逆の発想で、「voice(ヴォイス)」をケンブリッジの辞書で調べてみました。英語の辞書だとシンプルになっていることが多いイメージがあります。
簡単につまんでみると、「動詞の主語と動作の関係」だそうです。
例えば、「食べる」という動作と「田中くんが」という主語の関係を能動態と言ったり、
「食べられる」という動作と「田中くんが」という主語の関係を受動態(受身)といったり、
「食べさせる」という動作と「田中くんが」という主語の関係は使役態(使役)というそうです。
このようなことを態というそうですが、ふーんと流す人も多いと思いますし、それでもいいと思います。
では態にはどんな種類があるのでしょうか。
態の種類
日本語のヴォイス表現としては、受身、使役、使役受身、可能、自発、授受表現などがあるそうです。
これからの記事はそれぞれについて見ていこうと思います。
受身だとか、使役だとか、ちょっと難しい用語を聞くとやる気がなくなってしまう方もいるかもしれません。
ですが、何度も繰り返しますが、もう日本語を話せていますので、難しく考えなくてもいいです。
簡単に今例を挙げると、
受身とは「冷蔵庫のプリン食べられた。」
使役とは「掃除はルンバにさせますので。」
使役受身とは「またしょうもないものを買わされた。」
可能とは「緊張でうまく話せない。」
自発とは「セミの声が聞こえるねえ。」
授受表現とは「ちょっと帰りにお茶買ってきてもらえる。」
のように普段からよく使うような表現が多いと思いますから、肩の力を抜いておくといいでしょう。
ちなみに
日本語教育能力検定試験とはあまり関係がないかもしれませんが、実際に教える際は気をつけた方がいいかもしれないことがあります。
態というのは上の例でも分かる通り、動詞の形が変化します。
例えば、「食べます」の可能形は「食べられます」です。(「食べれる」じゃないですよ!)
学生に初めて教える際に、「可能形」という言葉を使うと、学生が混乱する可能性があります。「使役形」や「使役受身形」というのも同様です。
というのも、学生はそれまでにナイ形、タ形、テ形などさまざまな形を勉強してきているので、可能形や使役形のように言ってしまうと、そこからさらに形を変えなければなりません。例えば、「食べられない」は可能形のナイ形となってしまい、「え?可能形のナイ形?」のように形が2回も出てきて混乱が発生してしまうそうです。
ですから、態は○○形と教えるのではなく、新しい動詞として、「食べられる」という可能の動詞があります。その動詞のナイ形は「食べられない」です。のように紹介するのがいいとよく聞きますし、私もそう思います。
おわりに
今回はちょっと内容が薄くなってしまいましたが、
文法は一度頭に入れてしまえば、忘れにくい分野だと思います。
最悪忘れてしまっても、初級のクラスを担当することになったらいやでも勉強し直すので大丈夫です。
とはいっても忘れるのは気分が良く無いので、1歩ずつ確実に進んでいきましょう。
参考にした本
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