言語記号の特徴①〜能記と所記〜

もくじ

言語の役割

私たちがが普段から使っている言語というものは、音声と文字に分けられます。

そしてその役割として、音声が1次的で、文字は2次的だと考えられています。

これはどういう意味でしょうか。

私たちの日常生活では、様々なところから日本語(音声)が聞こえてきます。

テレビやラジオ、そして街を歩いていても、耳を傾けると必ずと言っていいほど日本語が聞こえてきます。

文字も同様で、テレビを見ても、携帯電話を見ても、電車に乗っても文字を見ることになります。

どちらも同じくらい耳や目にしますが、

1次的は「中心」、2次的は「その次に」という意味です。

赤ちゃんがどうやって言葉を覚えていくかということを考えると、

まず、話せるようになってから、言葉を読んだりできるようになることからも、

音声が1次的で、文字は2次的というのは、

まず音声(聞いたり話したり)が中心の役割で、文字(書いたり読んだり)はその次の役割になるということです。

言語が持っている性質その①:能記と所記

それではその言語はどのような性質を持っているのでしょうか。

性質はたくさんあるのですが、今日はその一つである「能記」と「所記」を見ていこうと思います!

「+」という記号があります。

これは「+」の「形」を見ると、「足し算の足す」の「意味」であるとわかりますね。

このように、記号には形(+)と意味(足し算の足す)の2つの側面があります

この記号は形と意味2つを持っている性質のことを「記号の二面性」と呼びます。

そして、言語も記号の一種であるということができ、

スイスの言語学者であるソシュールは、形のことを「能記意味のことを「所記」と言いました。

ちなみに能記は「シニフィアン」、所記は「シニフィエ」とも呼ばれます。

ただでさえ、言語学という難しそうな学問に加えて、カタカナ語や普段全く使わない漢字の用語が出てきて、

抵抗がある人も多いと思います。私もそうです。もうちょっと具体的に見ていきたいと思います。

形(能記)とは人間が近くできるもの、つまり、見えたり、聞こえたり、触れたりするもののことです。

ということは、逆に意味(所記)とは見えない、聞こえない、触れないもののことです。

例えば、

踏切の遮断機が下りる音は、カンカンという音が聞こえるので、能記です。そしてただカンカンという音が聞こえるだけでは意味はなく、雑音に過ぎません。

しかし、実際私たちは「もうすぐ電車が来ますよ。踏切を渡らないでください」という意味がカンカンという音にはあることをしっていますよね。この意味が所記にあたります。

このように例を自分で見つけてみると理解力もあがるはずです。

覚えるのが苦手な人のために

「形、能記、シニフィアン」と「意味、所記、シニフィエ」と理解はしても覚えるのは大変です。

「どっちがどっちだっけ?」となってしまいます。

私は

「カタチ→3文字→長い→シニフィアン(6文字)」
「イミ→2文字→短い→シニフィエ(5文字)」

と覚えました。

「能記=のうき=3拍→ながい→シニフィアン」

「所記=しょき=2拍→みじかい→シニフィエ」

でもいいかもしれませんね。

使えそうだと思ったら、使ってみてください。

まとめ

〜まとめ〜
音声は1次的、文字は2次的。
<ソシュールによる言語の性質>
言語の二面性・・・能記と所記がある
能記(シニフィアン)・・・形
所記(シニフィエ)・・・意味

おわりに

言語学の内容に入っていきますが、カタカナ語の多さ、内容の複雑さなど、わからなくさせる要素がたくさんあります。

内容的に苦手意識を持つ方も多いと思います。私もそうです。ですが、勉強次第では苦手な人が多い分野では差をつけられます。

ちょっとずつでいいので、理解していきましょう。


参考にした本

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この記事を書いた人

日本語講師として日本語学校に勤めています。日本語教育能力検定試験や日本語教育や現場についていろいろアウトプットしていこうと思っています。

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