まずは教授法について大まかな流れをしっておきましょう。
流れを知っておくと、理解がしやすくなります。
暗記ではなく、理解をしておくと、知識を関連させやすくなり思い出しやすくなります。
日本語教育能力検定試験の勉強をしていると、さまざまな教授法の名前が登場し、あれは何だっけ?これは何だっけ?と混乱してしまうことが多々あります。流れを大体でいいので把握をしておくと整理がしやすくなります。
超大まかな流れと大まかな流れの2つに分けて少しづつ理解していきたいと思います。
超大まかな流れ
一言で言うならば、「実用へ」というのが大きな流れとなります。
まず昔は外国語学習教授法というものは「教養のため」でした。
今でも学校で漢文や古文を実用目的ではなく、教養(大学受験)のために勉強している人がほとんどだと思います。
しかし、コミュニケーションの需要が高まるにつれて「実用のため」の教授法へとシフトしていきます。
今は英語学習の時期が早くなったり、英語のみの授業も増えていると聞きます。実用へシフトしているように思います。
しかし、いきなり今まではずっと教養のための教え方だったのに「実用」の教授法を作ろうといっても、初めのうちはあまりうまくはずもありません。
文法や精読を普段から教えている日本人の英語の先生に、急に明日から英会話の授業をやってとお願いしても困ってしまうものと同じことです。
教養のための教授法が主流だったが、実用のための教授法へ切り替わり、その実用のための教授法はいろいろな人のいろいろなアプローチによってたくさん登場しますが、批判などを受け、出ては消えを繰り返し、現在に至る。
というのが超大まかな流れです。
大まかな流れ
次は具体的な教授法名にも触れながら簡単な流れをつかんでもらえたら、と思います。
まずは「教養のため」に外国語学習がされていた頃、翻訳が中心の文法訳読法がメインでした。
その時代が長く続き、産業革命により交通の発達により外国とのコミュニケーションの必要性があがり、このころから「実用」へとシフトしていきます。
そして19世紀後半に登場してきたのは、グアンメソッドやベルリッツメソッドなどのナチュラル・メソッドです。
どちらも幼児の母語習得の過程に注目した教授法です。
20世期になると、さらにさまざまな直接法の教授法が登場します。
まず、イギリス系の教授法であるオーラル・メソッドです。
オーラル・メソッドは科学的根な理論を教授法に取り入れ、長沼直江の影響もあって日本に浸透しました。
そして、アメリカ系の教授法であるアーミー・メソッドです。
アーミー・メソッドは戦時中の教授法でスパイ活動(諜報活動)のために登場しました。
そして戦後になると、アメリカはソ連との国際競争に負けないよう優れた人材を確保するために戦時中に成果を収めたアーミー・メソッドを改良しオーディオ・リンガル・メソッドを作りました。
オーディオ・リンガル・メソッドは文法が重視の教授法です。
しかし、20世期も後半になると、オーディオ・リンガル・メソッドもいろいろな批判をうけ、さらにいろいろな教授法が登場してきます。
有名なのが、コミュニカティブ・アプローチです。
文法ではなく、コミュニケーションを重視する教授法です。しかし、文法を疎かにした結果、文法能力が育たないという結果になってしました。
その結果、文法もコミュニケーションもどちらもしっかりしましょうというタスク中心の教授法がでてきます。
これまでは言語や言語学の理論が使われた教授法でした。しかし、20世期後半にもなってくるとそれだけではなく、人間というものに注目した教授法も出てきます。つまり、心理学のような学問です。
心理的な要素も盛り込んだ教授法としてまずナチュラル・アプローチがあります。5つの仮説に基づいた教授法で、リラックスするとインプットしやすいということを挙げています。
他にもさらに心理学に特化させたものはヒューマニスティックな教授法と呼ばれ、サイレントウェイ、コミュニティ・ランゲージ・ラーニング、TPR、サジェストペディアなどがあります。
以上が大まかな流れになります。
細かい説明やそれぞれの教授法の説明はそれぞれのページに飛んで見てください。
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